さわやかに白球を追いかける高校球児を見ていたら…
2001年8月11日ふと気付いてしまいました。
ぼくは、最近家を一歩も出ていない。
合宿から帰ってきて翌日学校に反省会しに行ったっきり。
以来、僕は我が家で、ずっと引きこもりっ子。
もうこれで、5日目に突入です。
受験生の夏。
塾とか行ってない上に、
我が家に冷房なんてものがついちゃったもので、
自宅で十分勉強できるもんだから、
外に出る理由がない。
家の中で、勉強するか、
本を読むか、新聞を読むか、
テレビを見るか、パソコンいじるか、
くらいしかすることがない。
暗い夏休みだ。
外界とのコンタクトがないんです。
家族以外。
その半分が妹と、だし。
最近、日記の内容も暗くなってきてる気がする。
こんなんでいいのかな?
どうしよう。
夏休み終ってみたら、根暗な少年になってたりしたら…。
ぼくは、最近家を一歩も出ていない。
合宿から帰ってきて翌日学校に反省会しに行ったっきり。
以来、僕は我が家で、ずっと引きこもりっ子。
もうこれで、5日目に突入です。
受験生の夏。
塾とか行ってない上に、
我が家に冷房なんてものがついちゃったもので、
自宅で十分勉強できるもんだから、
外に出る理由がない。
家の中で、勉強するか、
本を読むか、新聞を読むか、
テレビを見るか、パソコンいじるか、
くらいしかすることがない。
暗い夏休みだ。
外界とのコンタクトがないんです。
家族以外。
その半分が妹と、だし。
最近、日記の内容も暗くなってきてる気がする。
こんなんでいいのかな?
どうしよう。
夏休み終ってみたら、根暗な少年になってたりしたら…。
夏合宿4日目
2001年8月10日8月5日、トレッキング部夏合宿最終日
朝5時半起床。
今日は帰る日だ。
歩く距離もそう長くない。
朝食はラーメン。
ぱっと作れるし、食欲のない朝でもわりとすぐ食べられる。
荷物をまとめて出発。
最初、道端に咲いている花の名前を当てながら
だらだらと進む。
天気は快晴。
今日、槍ヶ岳に登ればよかったくらいだ。
真っ青な空に、穂高連峰がそびえている。
灰色の岩肌から下に、濃い緑の森が続き、
目の前には槍沢の眩しいばかりの真っ白な河原。
カレンダーにでもなってそうな、やたらさわやかな風景だ。
朝から気分がよい。
ここは上高地からの散歩道になっているくらいで、
ほとんど高度差がない平らな道だ。
サンダルで歩ける。
徳沢というキャンプ場でソフトクリームを買って食べる。
そんなものが出るようなところまで下りてきた。
そんな実感がある。
歩いていくほど、人の数も増えていく。
大きな荷物を抱えているので歩くのにも苦労する。
もうここらは立派な観光地だ。
徐々に道も良くなり、木道なんかも登場する。
3時間ほどで上高地に無事に到着。
何となく、観光地気分に流されて、お土産なんかも選んでしまう。
バスで新島々という私鉄の駅へ。
松本まで行き、JRに乗り換え。
ここで、帰りは特急で帰る先生たちと別れ、
鈍行に揺られて一路東京へ。
我が家に帰り着いたのは、6時半頃であった。
楽しい山行だった。
山で3泊したのは初めてだったが、
思っていたほどきついものでもない。
疲れを翌日に持ち越してしまうことが不安だったが、
疲れなんて1日寝れば吹っ飛ぶし。
むしろ2日目3日目の方が快適に歩くことができた。
3泊が耐えられれば、今後何泊だって耐えられる気がする。
その山行の満足度は天候の良し悪しにかなり左右されるが、
天候については今回、かなりついていた気がする。
1日目は上りの途中で降られたら最悪だったが、
降りそうでいて結局降られなかったし。
2日目は文句のつけようがないほど快晴だったし。
3日目に晴れてくれなかったのは残念だったが。
アウトドアと言うフィールドに対して妙な適性を感じた。
なんとなく、野外で生活してると安らぎを覚える。
そんなこと初めてだけど。
身の回りのことについて深く考えない、というようなところが、
自分にあってるのかもしれない。
1人で歩く、というのも案外いいかもしれない、
ということを発見したのも、今回の山行だ。
別に皆といて嫌だった、とか言うつもりではないが、
歩いていて、ふと、一人になった時に、
不思議な新鮮さに包まれたのも事実だ。
なんともいえない孤独感(H先生は「郷愁」と表現していたが)、
内面のみに向けられる意識と思考。
『大自然と、自分という個』
閉鎖的であり、開放的でもある、この不思議な環境でしか感じられない、
何かがあるような気がする。
もともと自分は、
1人でいるということをそんなに苦にしないタイプだ、と思う。
周りの人に多くを求め依存する、ということもあまりしてこなかったし。
っていうか、できないし。
『誰かに支えられる』ということに対しても、
期待することに、ほぼ『諦め』に近い意識をもっている気もする。
自分に向き合いたくなった時に、ふらっと、
山を歩いてみる、そういうのもちょっといいかも。
そう思った。
もうちょっと大人になったら。
そんなことをまたグダグダと考えながら、
山にたたずんでみた。
わりとのんびりする時間もあったので、
そんな暇もあったのだ。
とりあえず、みんな無事に帰ってこられて、良かった。
朝5時半起床。
今日は帰る日だ。
歩く距離もそう長くない。
朝食はラーメン。
ぱっと作れるし、食欲のない朝でもわりとすぐ食べられる。
荷物をまとめて出発。
最初、道端に咲いている花の名前を当てながら
だらだらと進む。
天気は快晴。
今日、槍ヶ岳に登ればよかったくらいだ。
真っ青な空に、穂高連峰がそびえている。
灰色の岩肌から下に、濃い緑の森が続き、
目の前には槍沢の眩しいばかりの真っ白な河原。
カレンダーにでもなってそうな、やたらさわやかな風景だ。
朝から気分がよい。
ここは上高地からの散歩道になっているくらいで、
ほとんど高度差がない平らな道だ。
サンダルで歩ける。
徳沢というキャンプ場でソフトクリームを買って食べる。
そんなものが出るようなところまで下りてきた。
そんな実感がある。
歩いていくほど、人の数も増えていく。
大きな荷物を抱えているので歩くのにも苦労する。
もうここらは立派な観光地だ。
徐々に道も良くなり、木道なんかも登場する。
3時間ほどで上高地に無事に到着。
何となく、観光地気分に流されて、お土産なんかも選んでしまう。
バスで新島々という私鉄の駅へ。
松本まで行き、JRに乗り換え。
ここで、帰りは特急で帰る先生たちと別れ、
鈍行に揺られて一路東京へ。
我が家に帰り着いたのは、6時半頃であった。
楽しい山行だった。
山で3泊したのは初めてだったが、
思っていたほどきついものでもない。
疲れを翌日に持ち越してしまうことが不安だったが、
疲れなんて1日寝れば吹っ飛ぶし。
むしろ2日目3日目の方が快適に歩くことができた。
3泊が耐えられれば、今後何泊だって耐えられる気がする。
その山行の満足度は天候の良し悪しにかなり左右されるが、
天候については今回、かなりついていた気がする。
1日目は上りの途中で降られたら最悪だったが、
降りそうでいて結局降られなかったし。
2日目は文句のつけようがないほど快晴だったし。
3日目に晴れてくれなかったのは残念だったが。
アウトドアと言うフィールドに対して妙な適性を感じた。
なんとなく、野外で生活してると安らぎを覚える。
そんなこと初めてだけど。
身の回りのことについて深く考えない、というようなところが、
自分にあってるのかもしれない。
1人で歩く、というのも案外いいかもしれない、
ということを発見したのも、今回の山行だ。
別に皆といて嫌だった、とか言うつもりではないが、
歩いていて、ふと、一人になった時に、
不思議な新鮮さに包まれたのも事実だ。
なんともいえない孤独感(H先生は「郷愁」と表現していたが)、
内面のみに向けられる意識と思考。
『大自然と、自分という個』
閉鎖的であり、開放的でもある、この不思議な環境でしか感じられない、
何かがあるような気がする。
もともと自分は、
1人でいるということをそんなに苦にしないタイプだ、と思う。
周りの人に多くを求め依存する、ということもあまりしてこなかったし。
っていうか、できないし。
『誰かに支えられる』ということに対しても、
期待することに、ほぼ『諦め』に近い意識をもっている気もする。
自分に向き合いたくなった時に、ふらっと、
山を歩いてみる、そういうのもちょっといいかも。
そう思った。
もうちょっと大人になったら。
そんなことをまたグダグダと考えながら、
山にたたずんでみた。
わりとのんびりする時間もあったので、
そんな暇もあったのだ。
とりあえず、みんな無事に帰ってこられて、良かった。
夏合宿3日目
2001年8月9日8月4日、トレッキング部夏合宿3日目
朝3時起床。
風が強い。
このテント場は稜線上にあるので、風をさえぎるものもなく、
その強さはハンパじゃない。
テントの上にかけるフライシートが、
今にも飛ばされそうにバタバタいっている。
今日の朝食はパンとスープ。
風を避けてテントの中で済ませる。
狭い。
朝から雲ひとつない快晴であった昨日と違い、
今朝は、若干の曇り空だ。
槍ヶ岳の山頂も曇っていて、見えない。
9時ごろまでに晴れてくれればいいのだが…。
一向に弱まらない風の中、急いで荷造りをする。
軽いものは放って置くとすぐ飛ばされてしまうので注意が必要だ。
荷物をまとめ、出発。
最初、道は急な斜面を下ったのち、
また上りはじめる。
途中、はしごや鎖もたくさんあり、歩いていてなかなかおもしろい。
今日の順番は、H先生、Yさん、僕、Mくん、T、S先生。
Yさんに負担をかけないよう、ゆっくり歩いて行く。
もう、目の前に迫ってきた槍ヶ岳は、
雲に隠れたり、顔を出したり。
なかなか安定しない。
山頂で景色が見られるかは、タイミング勝負になりそうだ。
道はそんなに平坦ではないが、その分確実に高度を稼いでいける。
朝早く、涼しいので、歩いていてもそんなにきつくはない。
道はせまく、風はかなり強い。
特にはしごなどでは、自分が飛ばされそうで、ちょっと緊張する。
結構あっという間に殺生ヒュッテに到着。
長めの休憩を取る。
見上げれば、槍ヶ岳がそびえている。
あと少しだ。
槍ヶ岳山荘までの少々急な坂を上っていく。
足場は安定しているし、ジグザグをきって登っていくので、
そんなにきつくもない。
ここまでくると集団客が多く、かなりの混みようだ。
30分ほど上って、槍ヶ岳山荘に到着。
ここから先が、槍ヶ岳のクライマックスだ。
残り80mの急角度の岩場。
岩にはりつくようにして、一列になって登る。
途中で人を追い越すことができないほど狭いコースだ。
実におもしろい。
はしごあり、鎖あり、
時には平らな岩に杭が打ってあるだけの場所も。
足場を慎重に見つけながら、手足を全部使って登っていく。
ちょっとしたスリルがたまらない。
僕の一番好きなタイプのコースだ。
こんなところならあと200mほどあってもいいのに。
そんな感じ。
そんなこんなでなんとか山頂到達。
槍ヶ岳、標高3180m。
日本で5番目に高い山らしい。
あいにく雲がかかっていて周りは真っ白。
残念だ。
じっと眺めていると、ふと周りの雲が晴れた。
すぐ下に子槍が見える。
『ラーンラランラン♪』とアルペン踊りを踊ったりするところだ。
あんなところでどうやって踊るんだろう。
間抜けなようでなかなか高度な技のようだ。
遠くの方はあまり見えないが、近くの山くらいなら見下ろせる。
雲が晴れるのは一瞬だけ。
『あ、晴れたぞ。』と思った次の瞬間には、
もうそこは白い雲で覆われている。
槍は、なかなか多くを見せてはくれないのだ。
うーん、そういうのもなかなかいいぞ。
そう思った。
山頂にじっとしてると、次から次へと登山客が上ってくる。
狭い山頂はすぐいっぱいになる。
おばさんのパーティーが多い。
おばさんたちは登りきった感動に涙していた。
槍ヶ岳山荘に戻ってくる。
予定では今日はすぐ下の殺生ヒュッテで泊まることになっているのだが、
まだ時間は11時過ぎ。
予定を変更すればもっと下りることはできる。
計画どおりに殺生ヒュッテで泊まった場合、
最終日にかなりの距離を下らなくてはならないことを考えると、
今日のうちに少しでも下っておいた方が良い。
そんなわけで、予定を変更して、
今日は横尾というキャンプ場まで下りることに。
最終日歩く予定だった距離の半分をこれから歩くことになるわけだ。
槍ヶ岳山荘での食事後、さっききた道を殺生ヒュッテまで降りる。
途中、たった1人で黙々と登っていく60〜70才のおばあさんと
すれ違った。
辛そうだけど一生懸命に一歩一歩登っている。
僕たちがひょいひょいと登ってしまう道も、
年配の人にとっては大変な苦労をしなくては登れない道なのだ。
それでも登りたくて、やっとの思いでここまできたのだろう。
なんというか、すごいな、って思った。
脇によって道をあける僕たちに、おばあさんが
『ごめんなさいねぇ、歩くの遅くて…。』と
申し訳なさそうに笑っていた姿が印象的だった。
S先生が
『山頂ついたら、泣いちゃうんだろうな。』とつぶやいていた。
殺生ヒュッテでまた少し長めに休憩を取る。
ここからは4時間以上、ひたすら下ることになる。
空の雲の色も少し濃くなっている。
天気が心配だ。
沢沿いの道。
周りには雪渓がたくさんある。
そんなに急でない平坦な道がずぅっと続くので、
おもしろくはないけど、きつくもない道だ。
中高年が多い。
これから登っていく団体客と何度もすれ違う。
歩き始めて1時間ほどしたころ、急に雨が降り出した。
けっこう激しい。
雷もなっている。
雨具を着て、急いで下る。
下りの道でもあり、
雨の中、休憩などとは言っていられない。
ひたすら歩くしかない。
下り始めは水が流れていなかった沢にも、
水が流れ出す。
周りを見まわすとあちこちの山の斜面に小さな滝が出来ている。
それらが全て、道の横を流れる沢に合流している。
なかなか壮観だ。
雨は1時間半ほどでやんだ。
結局、横尾のキャンプ場についたのは5時前。
ずっと下りだったが、かなりの距離を歩いてしまった。
さすがに疲れた。
食事をあまりとっていなくて体力が心配だったYさんも、
ちゃんと歩ききることが出来た。
辛いだろうに、常にポーカーフェイスで疲れを見せない。
なんか、この人には根性と底力を感じる。
すごい人だ。
ここまでくると、後は、明日3時間ほど平坦な道を歩くだけだ。
ほぼ全行程が終了したといっていい。
笑顔がこぼれる。
今日の夕食はビビンバご飯だ。
同じくスーパーで売ってた奴。
芯も残らずに、なんとかうまく炊けた。
味のほうは好き嫌いが分かれたが。
でも、Yさんに食べてもらうことが出来た。
やった♪
なんか、もう、病気がちのお姫様に、
作った夕食を食べていただけるか、固唾を飲んで見守る召使Aの心境だ。
『い、いかがでしょう、姫様…。』
・・・ごめんね、Yさん。
S先生が道の途中で見つけたわさびをみんなで食べてみる。
根は石を洗ってすりおろし、
茎は塩とこしょうでいためた。
自然な辛さがあってなかなかうまい。
本当はしょうゆがあると良かったのだが。
明日の朝、そんなに早く起きる必要もないので、
何となく、生徒4人でトランプをすることに。
やりだすと案の定、熱中してしまい、
結局、寝たのは12時を過ぎていた。
朝3時起床。
風が強い。
このテント場は稜線上にあるので、風をさえぎるものもなく、
その強さはハンパじゃない。
テントの上にかけるフライシートが、
今にも飛ばされそうにバタバタいっている。
今日の朝食はパンとスープ。
風を避けてテントの中で済ませる。
狭い。
朝から雲ひとつない快晴であった昨日と違い、
今朝は、若干の曇り空だ。
槍ヶ岳の山頂も曇っていて、見えない。
9時ごろまでに晴れてくれればいいのだが…。
一向に弱まらない風の中、急いで荷造りをする。
軽いものは放って置くとすぐ飛ばされてしまうので注意が必要だ。
荷物をまとめ、出発。
最初、道は急な斜面を下ったのち、
また上りはじめる。
途中、はしごや鎖もたくさんあり、歩いていてなかなかおもしろい。
今日の順番は、H先生、Yさん、僕、Mくん、T、S先生。
Yさんに負担をかけないよう、ゆっくり歩いて行く。
もう、目の前に迫ってきた槍ヶ岳は、
雲に隠れたり、顔を出したり。
なかなか安定しない。
山頂で景色が見られるかは、タイミング勝負になりそうだ。
道はそんなに平坦ではないが、その分確実に高度を稼いでいける。
朝早く、涼しいので、歩いていてもそんなにきつくはない。
道はせまく、風はかなり強い。
特にはしごなどでは、自分が飛ばされそうで、ちょっと緊張する。
結構あっという間に殺生ヒュッテに到着。
長めの休憩を取る。
見上げれば、槍ヶ岳がそびえている。
あと少しだ。
槍ヶ岳山荘までの少々急な坂を上っていく。
足場は安定しているし、ジグザグをきって登っていくので、
そんなにきつくもない。
ここまでくると集団客が多く、かなりの混みようだ。
30分ほど上って、槍ヶ岳山荘に到着。
ここから先が、槍ヶ岳のクライマックスだ。
残り80mの急角度の岩場。
岩にはりつくようにして、一列になって登る。
途中で人を追い越すことができないほど狭いコースだ。
実におもしろい。
はしごあり、鎖あり、
時には平らな岩に杭が打ってあるだけの場所も。
足場を慎重に見つけながら、手足を全部使って登っていく。
ちょっとしたスリルがたまらない。
僕の一番好きなタイプのコースだ。
こんなところならあと200mほどあってもいいのに。
そんな感じ。
そんなこんなでなんとか山頂到達。
槍ヶ岳、標高3180m。
日本で5番目に高い山らしい。
あいにく雲がかかっていて周りは真っ白。
残念だ。
じっと眺めていると、ふと周りの雲が晴れた。
すぐ下に子槍が見える。
『ラーンラランラン♪』とアルペン踊りを踊ったりするところだ。
あんなところでどうやって踊るんだろう。
間抜けなようでなかなか高度な技のようだ。
遠くの方はあまり見えないが、近くの山くらいなら見下ろせる。
雲が晴れるのは一瞬だけ。
『あ、晴れたぞ。』と思った次の瞬間には、
もうそこは白い雲で覆われている。
槍は、なかなか多くを見せてはくれないのだ。
うーん、そういうのもなかなかいいぞ。
そう思った。
山頂にじっとしてると、次から次へと登山客が上ってくる。
狭い山頂はすぐいっぱいになる。
おばさんのパーティーが多い。
おばさんたちは登りきった感動に涙していた。
槍ヶ岳山荘に戻ってくる。
予定では今日はすぐ下の殺生ヒュッテで泊まることになっているのだが、
まだ時間は11時過ぎ。
予定を変更すればもっと下りることはできる。
計画どおりに殺生ヒュッテで泊まった場合、
最終日にかなりの距離を下らなくてはならないことを考えると、
今日のうちに少しでも下っておいた方が良い。
そんなわけで、予定を変更して、
今日は横尾というキャンプ場まで下りることに。
最終日歩く予定だった距離の半分をこれから歩くことになるわけだ。
槍ヶ岳山荘での食事後、さっききた道を殺生ヒュッテまで降りる。
途中、たった1人で黙々と登っていく60〜70才のおばあさんと
すれ違った。
辛そうだけど一生懸命に一歩一歩登っている。
僕たちがひょいひょいと登ってしまう道も、
年配の人にとっては大変な苦労をしなくては登れない道なのだ。
それでも登りたくて、やっとの思いでここまできたのだろう。
なんというか、すごいな、って思った。
脇によって道をあける僕たちに、おばあさんが
『ごめんなさいねぇ、歩くの遅くて…。』と
申し訳なさそうに笑っていた姿が印象的だった。
S先生が
『山頂ついたら、泣いちゃうんだろうな。』とつぶやいていた。
殺生ヒュッテでまた少し長めに休憩を取る。
ここからは4時間以上、ひたすら下ることになる。
空の雲の色も少し濃くなっている。
天気が心配だ。
沢沿いの道。
周りには雪渓がたくさんある。
そんなに急でない平坦な道がずぅっと続くので、
おもしろくはないけど、きつくもない道だ。
中高年が多い。
これから登っていく団体客と何度もすれ違う。
歩き始めて1時間ほどしたころ、急に雨が降り出した。
けっこう激しい。
雷もなっている。
雨具を着て、急いで下る。
下りの道でもあり、
雨の中、休憩などとは言っていられない。
ひたすら歩くしかない。
下り始めは水が流れていなかった沢にも、
水が流れ出す。
周りを見まわすとあちこちの山の斜面に小さな滝が出来ている。
それらが全て、道の横を流れる沢に合流している。
なかなか壮観だ。
雨は1時間半ほどでやんだ。
結局、横尾のキャンプ場についたのは5時前。
ずっと下りだったが、かなりの距離を歩いてしまった。
さすがに疲れた。
食事をあまりとっていなくて体力が心配だったYさんも、
ちゃんと歩ききることが出来た。
辛いだろうに、常にポーカーフェイスで疲れを見せない。
なんか、この人には根性と底力を感じる。
すごい人だ。
ここまでくると、後は、明日3時間ほど平坦な道を歩くだけだ。
ほぼ全行程が終了したといっていい。
笑顔がこぼれる。
今日の夕食はビビンバご飯だ。
同じくスーパーで売ってた奴。
芯も残らずに、なんとかうまく炊けた。
味のほうは好き嫌いが分かれたが。
でも、Yさんに食べてもらうことが出来た。
やった♪
なんか、もう、病気がちのお姫様に、
作った夕食を食べていただけるか、固唾を飲んで見守る召使Aの心境だ。
『い、いかがでしょう、姫様…。』
・・・ごめんね、Yさん。
S先生が道の途中で見つけたわさびをみんなで食べてみる。
根は石を洗ってすりおろし、
茎は塩とこしょうでいためた。
自然な辛さがあってなかなかうまい。
本当はしょうゆがあると良かったのだが。
明日の朝、そんなに早く起きる必要もないので、
何となく、生徒4人でトランプをすることに。
やりだすと案の定、熱中してしまい、
結局、寝たのは12時を過ぎていた。
夏合宿2日目
2001年8月8日8月3日、トレッキング部夏合宿第2日目
朝3時起床。
急いで朝食を取り、
空荷で燕岳山頂に向かう。
燕岳は甲斐駒のような花崗岩の山。
岩場の中を歩いて行く。
日の出に間に合わせようと、かなりのハイペースで歩いたので、
15分ほどで山頂につく。
東の方向には下のほうに雲海が広がっている。
まだ太陽は出ていない。
東の果てでは、朝焼けで雲がオレンジに染まっている。
皆でじっと日の出を待つ。
西の方向にはあさって登る槍ヶ岳のとがった山頂も見える。
やはり槍ヶ岳の、槍先がまっすぐに空に突き出ている姿はひときわ目立つ。
先の部分は80mしかないらしいが、もっとずっと高いように見える。
この辺でも見ていて、一番かっこいい山だ。
登るのが楽しみでしょうがない。
雲がないので、あたりの山々が全部見える。
どの山も形や色が皆違う。
こんなにたくさんの山があるのに、
一つ一つの山がその中に埋もれず、その存在を強烈に主張している。
そんな感じ。
壮観だ。
やがて、太陽が雲海から顔を出し始める。
皆黙って見つめる。
神聖な時間が流れる。
が、そんなところにH先生、
『雲海があって明るいから、そんなに感動的でもないね。
もっと暗いと良かったのに・・・。』
とかって、一気に白ける一言。
せんせい…。
もう、苦笑するしかない。
そんなH先生。
後ろを振り返るとこれまで日が当たっていなかった山々にも
山頂の方から光を反射し始めている。
僕たちのいる東側の山の影が、
西側の山肌にくっきりと浮かび上がる。
かっこいい。
しばらくたたずんだ後、急いで山を下りる。
テント場で荷をまとめてから、歩き始める。
T、Yさん、Mくん、僕、H先生、S先生の順だ。
今日のコースは表銀座という名前がついているほど、
歩きやすく、一般的なコースだ。
天気も良いので、歩いている間中、
周りの景色が遠くまでばっちり見えるし、
稜線上なので風があたり、とても涼しい。
わりと平らな道が続くので、ちっとも疲れない。
歩いていて、一番嬉しいコースだ。
こんなコースならいつまでも歩いていられる。
一晩寝たので、体調もばっちり。
昨日のあの辛さがウソのようだ。
しばらく、軽い上り下りを繰り返す。
道から常に見えている槍ヶ岳が少しずつ近くなっていくのが分かる。
2時間ほど歩くと、
やがて大天井(おてんしょう)岳の上りにさしかかる。
ここは今日の一番の山場だといっていい。
そんなに長くもないが、だらだらした上りが続く。
こういう坂では一気に上ろうとしてもばてるだけ。
重心がずれて体をふらつかせたりすると、
どんどん疲れがたまってしまう。
足を運ぶペースを呼吸に合わせ、
慎重に足場を選びながら一歩一歩進んでいく。
つぼにはまれば、そんなにきついこともない。
そろそろ日も高くなり、日光が僕たちの上に照りつける。
岩場の道であるだけに、照り返しがきつい。
30分ほど登りつづけ、やっと大天荘に到着。
気付いたら、Yさんがかなりへばっている。
暑さで顔が真っ赤だ。
これ以上歩くのは、明らかに無理っぽい。
ここから歩いて10分の距離にある大天井岳山頂に行くのは後にして、
先に昼食を食べることに。
昼食はラーメンだ。
インスタントなのであっという間にできる。
が、Yさんは食欲もなく、食べられないとのこと。
山の上で物が食べられないと言うのは、死活問題にもなりうる。
コレハ、チョットヤバイカモ…。
さすがに、みんな深刻な表情をし始める。
だが、しかし、僕たちが昼食を食べ終わったころには、
Yさんの顔色も少しは良くなり、体調も戻ってきたようだ。
全員で大天井岳に上ることにする。
良かった。
せっかく6人できたのだから、できれば全行程を6人で歩きたい。
無理はいえないが。
空荷で山頂に向かう。
すぐに山頂に到着。
これから歩いて行く尾根が見える。
そしてその先には槍ヶ岳が。
朝、燕岳で見たときより、だいぶ近付いている。
槍ヶ岳はいつ見てもかっこいい。
ほれぼれしてしまうほどだ。
何より、山頂付近はかなりの急角度の岩場。
僕は岩場が大好きだ。
明日、あれに登ると考えると、ワクワクしてくる。
再び、大天荘に戻ってくる。
Yさんに食欲が少し戻ってきたようなので、食事を用意する。
何とか食べられたようで、ほっと一安心。
Yさんの負担を少しでも減らすため、Yさんの分の装備を
みんなで分けて持つことにし、
出発。
大天井岳からの道は最初、かなり下るが、
大天井ヒュッテを過ぎたあたりから道はわりと平らになる。
後はひたすら距離を稼ぐだけだ。
道の周りには色んな種類の花が咲いている。
途中、歩きながら大声を上げている、やたらハイテンションな大学生パーティーに出会った。
道が少しごろごろすると、
先頭の奴が『足元注意っ!!』などと鋭く叫び、
すぐ後ろの奴が大声で返事。
それを1人ずつ繰り返していく。
要するに体育会系のノリだ。
うるさいったらない。
体力を消耗するだけだと思うが・・・。
テンションは高いくせに足は遅いので、あっさり抜くことができる。
抜く時の気まずいこと。
奴らのテンションに押されて、こっちはやたら沈んでいくし。
要するにいい迷惑だ。
まぁ、どうでもいいが。
3時ごろ、なんとか西岳山荘に到着。
夕食にはちょっと早い。
先生たちはまたビールを飲みにいき、
僕たちはしょうがないから1本300円の缶ジュースを飲みにいく。
その後は、外でだらだら。
美術科のS先生は山の絵を書いている。
YさんとM君、H先生は昼寝。
僕とTは読書。
思いかけず、のんびりと気持ちの良い時間を過ごしてしまった。
5時ごろ、夕食をつくる。
今日は鳥釜飯。
スーパーで売ってた、米の中に入れて、炊けばいい奴だ。
が、気圧が高いためか、炊き上がった米には芯が。
どーん。
なんとか、改善しようと、おじやにしたり、炒めてみたり…。
いまいちおいしい夕食にならなかった。
一番の問題点は、Yさんが「ご飯を口にすると吐きそうになる」、
ということで、夕飯をまともに食べられなかったこと。
これで、明日1日体力が持つのだろうか。
とても心配だ。
そんな時くらい、おいしい食事を作ってあげたかった。
反省…。
7時ごろ、H先生に『眠り薬』をもらって、眠りにつく。
『お酒じゃないよ。』
先生はそう言った。
『薬だ。』と。
先生的には、「うめしゅ」は「おさけ」じゃないらしい。
何度もいうけど、部活動なんだけどね・・・。
そういいながら、喜んでもらっていた、僕とTとM君。
そして、すすめても、
『イヤです!!』とこっちがひるむほどはっきり断ったYさん。
そんな2日目の夜。
朝3時起床。
急いで朝食を取り、
空荷で燕岳山頂に向かう。
燕岳は甲斐駒のような花崗岩の山。
岩場の中を歩いて行く。
日の出に間に合わせようと、かなりのハイペースで歩いたので、
15分ほどで山頂につく。
東の方向には下のほうに雲海が広がっている。
まだ太陽は出ていない。
東の果てでは、朝焼けで雲がオレンジに染まっている。
皆でじっと日の出を待つ。
西の方向にはあさって登る槍ヶ岳のとがった山頂も見える。
やはり槍ヶ岳の、槍先がまっすぐに空に突き出ている姿はひときわ目立つ。
先の部分は80mしかないらしいが、もっとずっと高いように見える。
この辺でも見ていて、一番かっこいい山だ。
登るのが楽しみでしょうがない。
雲がないので、あたりの山々が全部見える。
どの山も形や色が皆違う。
こんなにたくさんの山があるのに、
一つ一つの山がその中に埋もれず、その存在を強烈に主張している。
そんな感じ。
壮観だ。
やがて、太陽が雲海から顔を出し始める。
皆黙って見つめる。
神聖な時間が流れる。
が、そんなところにH先生、
『雲海があって明るいから、そんなに感動的でもないね。
もっと暗いと良かったのに・・・。』
とかって、一気に白ける一言。
せんせい…。
もう、苦笑するしかない。
そんなH先生。
後ろを振り返るとこれまで日が当たっていなかった山々にも
山頂の方から光を反射し始めている。
僕たちのいる東側の山の影が、
西側の山肌にくっきりと浮かび上がる。
かっこいい。
しばらくたたずんだ後、急いで山を下りる。
テント場で荷をまとめてから、歩き始める。
T、Yさん、Mくん、僕、H先生、S先生の順だ。
今日のコースは表銀座という名前がついているほど、
歩きやすく、一般的なコースだ。
天気も良いので、歩いている間中、
周りの景色が遠くまでばっちり見えるし、
稜線上なので風があたり、とても涼しい。
わりと平らな道が続くので、ちっとも疲れない。
歩いていて、一番嬉しいコースだ。
こんなコースならいつまでも歩いていられる。
一晩寝たので、体調もばっちり。
昨日のあの辛さがウソのようだ。
しばらく、軽い上り下りを繰り返す。
道から常に見えている槍ヶ岳が少しずつ近くなっていくのが分かる。
2時間ほど歩くと、
やがて大天井(おてんしょう)岳の上りにさしかかる。
ここは今日の一番の山場だといっていい。
そんなに長くもないが、だらだらした上りが続く。
こういう坂では一気に上ろうとしてもばてるだけ。
重心がずれて体をふらつかせたりすると、
どんどん疲れがたまってしまう。
足を運ぶペースを呼吸に合わせ、
慎重に足場を選びながら一歩一歩進んでいく。
つぼにはまれば、そんなにきついこともない。
そろそろ日も高くなり、日光が僕たちの上に照りつける。
岩場の道であるだけに、照り返しがきつい。
30分ほど登りつづけ、やっと大天荘に到着。
気付いたら、Yさんがかなりへばっている。
暑さで顔が真っ赤だ。
これ以上歩くのは、明らかに無理っぽい。
ここから歩いて10分の距離にある大天井岳山頂に行くのは後にして、
先に昼食を食べることに。
昼食はラーメンだ。
インスタントなのであっという間にできる。
が、Yさんは食欲もなく、食べられないとのこと。
山の上で物が食べられないと言うのは、死活問題にもなりうる。
コレハ、チョットヤバイカモ…。
さすがに、みんな深刻な表情をし始める。
だが、しかし、僕たちが昼食を食べ終わったころには、
Yさんの顔色も少しは良くなり、体調も戻ってきたようだ。
全員で大天井岳に上ることにする。
良かった。
せっかく6人できたのだから、できれば全行程を6人で歩きたい。
無理はいえないが。
空荷で山頂に向かう。
すぐに山頂に到着。
これから歩いて行く尾根が見える。
そしてその先には槍ヶ岳が。
朝、燕岳で見たときより、だいぶ近付いている。
槍ヶ岳はいつ見てもかっこいい。
ほれぼれしてしまうほどだ。
何より、山頂付近はかなりの急角度の岩場。
僕は岩場が大好きだ。
明日、あれに登ると考えると、ワクワクしてくる。
再び、大天荘に戻ってくる。
Yさんに食欲が少し戻ってきたようなので、食事を用意する。
何とか食べられたようで、ほっと一安心。
Yさんの負担を少しでも減らすため、Yさんの分の装備を
みんなで分けて持つことにし、
出発。
大天井岳からの道は最初、かなり下るが、
大天井ヒュッテを過ぎたあたりから道はわりと平らになる。
後はひたすら距離を稼ぐだけだ。
道の周りには色んな種類の花が咲いている。
途中、歩きながら大声を上げている、やたらハイテンションな大学生パーティーに出会った。
道が少しごろごろすると、
先頭の奴が『足元注意っ!!』などと鋭く叫び、
すぐ後ろの奴が大声で返事。
それを1人ずつ繰り返していく。
要するに体育会系のノリだ。
うるさいったらない。
体力を消耗するだけだと思うが・・・。
テンションは高いくせに足は遅いので、あっさり抜くことができる。
抜く時の気まずいこと。
奴らのテンションに押されて、こっちはやたら沈んでいくし。
要するにいい迷惑だ。
まぁ、どうでもいいが。
3時ごろ、なんとか西岳山荘に到着。
夕食にはちょっと早い。
先生たちはまたビールを飲みにいき、
僕たちはしょうがないから1本300円の缶ジュースを飲みにいく。
その後は、外でだらだら。
美術科のS先生は山の絵を書いている。
YさんとM君、H先生は昼寝。
僕とTは読書。
思いかけず、のんびりと気持ちの良い時間を過ごしてしまった。
5時ごろ、夕食をつくる。
今日は鳥釜飯。
スーパーで売ってた、米の中に入れて、炊けばいい奴だ。
が、気圧が高いためか、炊き上がった米には芯が。
どーん。
なんとか、改善しようと、おじやにしたり、炒めてみたり…。
いまいちおいしい夕食にならなかった。
一番の問題点は、Yさんが「ご飯を口にすると吐きそうになる」、
ということで、夕飯をまともに食べられなかったこと。
これで、明日1日体力が持つのだろうか。
とても心配だ。
そんな時くらい、おいしい食事を作ってあげたかった。
反省…。
7時ごろ、H先生に『眠り薬』をもらって、眠りにつく。
『お酒じゃないよ。』
先生はそう言った。
『薬だ。』と。
先生的には、「うめしゅ」は「おさけ」じゃないらしい。
何度もいうけど、部活動なんだけどね・・・。
そういいながら、喜んでもらっていた、僕とTとM君。
そして、すすめても、
『イヤです!!』とこっちがひるむほどはっきり断ったYさん。
そんな2日目の夜。
夏合宿1日目
2001年8月7日8月2日、トレッキング部夏合宿第一日目。
朝4時起床。
父をたたき起こし、集合場所の立川駅まで車で送ってもらう。
朝5時半立川駅集合。
今回参加するのは、
同級生のT、2年生のM君、1年生のYさん、
顧問のH先生、S先生、そして僕の6人だ。
そのうち、S先生は合宿の直前に
所属する「山の会」の山行に参加しているため、
先に山に入っていて、
今日(1日目)の目的地である燕山荘でおちあうことになっている。
登山口までは、
JRで穂高の駅まで行き、そこからはタクシーを使う。
今回は交通費を安くするために、青春18キップを購入してある。
いうまでもないが、青春18キップは、
11500円で期間中の任意の5日間、
特急以外のJRの列車にに乗り放題できる、という切符だ。
もちろん、1人で5日間でなくても、
5人が同時に1日で使っても良いのだが、
そこで問題なのは、この切符が5枚綴りになっているのではなく、
1枚の切符に5つのはんこを押すしくみになっていると言うこと。
したがって、複数の人が同じ切符を使って同時に電車に乗る場合、
一枚の切符で同時に改札を通らなくてはならない。
つまり、別々に改札を通って車内で落ち合うと言うことができないのだ。
その辺が、少々面倒だ。
今回は立川集合組と八王子集合組に分かれて集合したのだが、
なんとか、全員が改札を済ませ、
6時15分高尾発松本行きの電車で落ち合う。
松本で乗り換えて、10時11分に穂高駅着。
あらかじめ予約しておいたタクシーに乗る。
タクシーで運転手さんに話を聞くと、
ここ10日くらい晴れの日が続いていたのだが、
つい昨日、激しい夕立が降ったそうだ。
一度、夕立が降ると翌日も続く可能性が高いとか。
周りの山々を見上げると、どの山も山頂付近に雲がかかっている。
天候が不安だ。
40分ほどで登山口のある中房温泉に到着。
昼食は電車の中で済ませてある。
すぐ出発だ。
歩く順番は、Yさん、僕、M君、T、H先生の順。
最初、道はちょっと、ハンパじゃなく急だ。
今まで経験したことがないくらい。
ちょっと歩いただけで、すぐ汗が噴き出てくる。
皆、自然に視線が下を向く。
かなり、きつい。
しかも、今回、僕の荷物は20kgを超えている。
他の人は15〜17kg前後だというのに、
なぜか1人僕だけ、頑張ってしまっているのだ。
この道には、途中にある合戦小屋という休憩所まで、
4つのベンチが、だいたい30分おきくらいに等間隔でおいてある。
登山者はそのベンチで自由に休むことができる。
第1ベンチ到着。
ここには湧き水の水場があるのだが、
今回の山行ではこの先、4日目まで水場が一つもない。
全員もって来たボトルに水を詰める。
第2ベンチにつく少し前くらいから、
早くも僕の気分が悪くなる。
なんか、妙に息苦しい。
かなりばてている。
重い荷物が予想以上に体力を奪ってしまったようだ。
体調自体もあまりよくなかったのかもしれない。
第2ベンチで休憩しても、
歩き出すとすぐに呼吸がきつくなる。
足は重くなり、体がふらふらしだす。
先を行くYさんの方がよっぽど元気そうだ。
何とも情けないが、体が言うことを聞かない。
これで最後まで上りきることができるのか、不安になる。
黙々と歩を進めるしかない。
ここでYさんが蜂蜜につけたレモンをくれる。
装備には入っていなかったが、
レモンティーにしようと思って持ってきたのだそうだ。
さすが女の子。
男の子とは気が付くところが違う。
疲れた体にレモンのすっぱさはたまらなく美味い。
なんか、ちょっと感動してしまった。
第3ベンチ。
道はゆるくなっては来てるが、きつさは変わらない。
そろそろ、雲行きが怪しくなる。
この空模様なら、雨くらいはすでに覚悟している。
ほてった体に雨が当たるのは、案外涼しそうな気もする。
でも、これから稜線上に出るだけに、雷だけは勘弁して欲しい。
第4ベンチを経て、合戦小屋に到着。
歩き始めて3時間余り。
これまでの休憩は5分ほどだったが、
ここでは少々長めに休憩を取る。
この合戦小屋では、
下から荷揚げ用の小さなケーブルを使って
様々な資材や食料を運び上げることが可能だ。
そのためここではなんと、登山客にスイカを販売している。
わりと大きなスイカの8分の1切れが800円だ。
ちょっと高すぎる気もしたが、
なんとなく、予算で3切れを購入することに。
5人とも疲れていたのだ。
3切れのスイカを5人で分けて食べる。
冷たく冷やされたそのスイカはとても甘い。
豊富な水分と糖分は実に憎らしいほどに
体中に染み渡っていく。
なんか、もう、泣きそうなくらい美味い。
気付いたら無心でかぶりついていた。
ここまで苦労して登ってきたからこそ味わえるこの幸せ。
800円では安いくらいだ。
なんて、お金に換算できる単位ではないが・・・。
ここまで奇跡的に夕立にあわずに来れている。
雷が遠くごろごろ言う音は聞こえるが、
まだ降りそうな気配はない。
この調子でせめて燕山荘まで持って欲しい。
ここから先は、さらに100mほど登らなくてはいけないが、
そこまで登ると、やっと稜線上に出て、ある程度道も楽になる。
風も通るようになり、歩くのも心地よい。
しばらく歩き、最後のピークを上りきると、
200m先にやっとテント場と山小屋が見えた。
目指す燕山荘だ。
あのどこかにS先生がいるはず。
道も楽になり、少しずつ体力も回復してきた僕は、
ためしに先生の名を呼んでみることに。
『Sせんせ〜っ!!』
当然聞こえないだろうと思ったが、
遠くでこっちに向かって手を振る人が見える。
良くは見えないが、S先生のようだ。
何となく安心。
元気が出てくる。
近いようで、そこから10分は歩かなくてはならなかったが、
何とか4時半頃燕山荘のテン場に到着。
少し休んだ後、急いで食事の用意をする。
今日の夕食はレトルトのカレーだ。
ちゃんと野菜を持っていくいつもの山行と違い、
今回はレトルトをあたためるだけなのであっという間にできる。
食事の準備をしている時、雷がなった。
山の雷は怖い。
すぐ近くで落ちているような大きな音がするからだ。
今回も光った直後にものすごい大音量の雷がなり、
テント場にいた人皆が一瞬身構えていた。
それにしても、ここにつくまで雨にあわなかったのは、
実に運が良かった。
今後にむけて幸先の良いスタートを切ることができた。
S先生曰く、ここからのながめはすごい、とのこと。
今は曇っていて見通しがきかないが、
明日の朝見える景色が楽しみだ。
先生たちは二人して、燕山荘で
1000円の大ジョッキの生ビールを買って嬉しそうに飲んでいる。
この山行は一応部活動。
つまり先生たちはお仕事中なんですけど…。
7時ごろ、先生と生徒で二つのテントに分かれて、就寝。
朝4時起床。
父をたたき起こし、集合場所の立川駅まで車で送ってもらう。
朝5時半立川駅集合。
今回参加するのは、
同級生のT、2年生のM君、1年生のYさん、
顧問のH先生、S先生、そして僕の6人だ。
そのうち、S先生は合宿の直前に
所属する「山の会」の山行に参加しているため、
先に山に入っていて、
今日(1日目)の目的地である燕山荘でおちあうことになっている。
登山口までは、
JRで穂高の駅まで行き、そこからはタクシーを使う。
今回は交通費を安くするために、青春18キップを購入してある。
いうまでもないが、青春18キップは、
11500円で期間中の任意の5日間、
特急以外のJRの列車にに乗り放題できる、という切符だ。
もちろん、1人で5日間でなくても、
5人が同時に1日で使っても良いのだが、
そこで問題なのは、この切符が5枚綴りになっているのではなく、
1枚の切符に5つのはんこを押すしくみになっていると言うこと。
したがって、複数の人が同じ切符を使って同時に電車に乗る場合、
一枚の切符で同時に改札を通らなくてはならない。
つまり、別々に改札を通って車内で落ち合うと言うことができないのだ。
その辺が、少々面倒だ。
今回は立川集合組と八王子集合組に分かれて集合したのだが、
なんとか、全員が改札を済ませ、
6時15分高尾発松本行きの電車で落ち合う。
松本で乗り換えて、10時11分に穂高駅着。
あらかじめ予約しておいたタクシーに乗る。
タクシーで運転手さんに話を聞くと、
ここ10日くらい晴れの日が続いていたのだが、
つい昨日、激しい夕立が降ったそうだ。
一度、夕立が降ると翌日も続く可能性が高いとか。
周りの山々を見上げると、どの山も山頂付近に雲がかかっている。
天候が不安だ。
40分ほどで登山口のある中房温泉に到着。
昼食は電車の中で済ませてある。
すぐ出発だ。
歩く順番は、Yさん、僕、M君、T、H先生の順。
最初、道はちょっと、ハンパじゃなく急だ。
今まで経験したことがないくらい。
ちょっと歩いただけで、すぐ汗が噴き出てくる。
皆、自然に視線が下を向く。
かなり、きつい。
しかも、今回、僕の荷物は20kgを超えている。
他の人は15〜17kg前後だというのに、
なぜか1人僕だけ、頑張ってしまっているのだ。
この道には、途中にある合戦小屋という休憩所まで、
4つのベンチが、だいたい30分おきくらいに等間隔でおいてある。
登山者はそのベンチで自由に休むことができる。
第1ベンチ到着。
ここには湧き水の水場があるのだが、
今回の山行ではこの先、4日目まで水場が一つもない。
全員もって来たボトルに水を詰める。
第2ベンチにつく少し前くらいから、
早くも僕の気分が悪くなる。
なんか、妙に息苦しい。
かなりばてている。
重い荷物が予想以上に体力を奪ってしまったようだ。
体調自体もあまりよくなかったのかもしれない。
第2ベンチで休憩しても、
歩き出すとすぐに呼吸がきつくなる。
足は重くなり、体がふらふらしだす。
先を行くYさんの方がよっぽど元気そうだ。
何とも情けないが、体が言うことを聞かない。
これで最後まで上りきることができるのか、不安になる。
黙々と歩を進めるしかない。
ここでYさんが蜂蜜につけたレモンをくれる。
装備には入っていなかったが、
レモンティーにしようと思って持ってきたのだそうだ。
さすが女の子。
男の子とは気が付くところが違う。
疲れた体にレモンのすっぱさはたまらなく美味い。
なんか、ちょっと感動してしまった。
第3ベンチ。
道はゆるくなっては来てるが、きつさは変わらない。
そろそろ、雲行きが怪しくなる。
この空模様なら、雨くらいはすでに覚悟している。
ほてった体に雨が当たるのは、案外涼しそうな気もする。
でも、これから稜線上に出るだけに、雷だけは勘弁して欲しい。
第4ベンチを経て、合戦小屋に到着。
歩き始めて3時間余り。
これまでの休憩は5分ほどだったが、
ここでは少々長めに休憩を取る。
この合戦小屋では、
下から荷揚げ用の小さなケーブルを使って
様々な資材や食料を運び上げることが可能だ。
そのためここではなんと、登山客にスイカを販売している。
わりと大きなスイカの8分の1切れが800円だ。
ちょっと高すぎる気もしたが、
なんとなく、予算で3切れを購入することに。
5人とも疲れていたのだ。
3切れのスイカを5人で分けて食べる。
冷たく冷やされたそのスイカはとても甘い。
豊富な水分と糖分は実に憎らしいほどに
体中に染み渡っていく。
なんか、もう、泣きそうなくらい美味い。
気付いたら無心でかぶりついていた。
ここまで苦労して登ってきたからこそ味わえるこの幸せ。
800円では安いくらいだ。
なんて、お金に換算できる単位ではないが・・・。
ここまで奇跡的に夕立にあわずに来れている。
雷が遠くごろごろ言う音は聞こえるが、
まだ降りそうな気配はない。
この調子でせめて燕山荘まで持って欲しい。
ここから先は、さらに100mほど登らなくてはいけないが、
そこまで登ると、やっと稜線上に出て、ある程度道も楽になる。
風も通るようになり、歩くのも心地よい。
しばらく歩き、最後のピークを上りきると、
200m先にやっとテント場と山小屋が見えた。
目指す燕山荘だ。
あのどこかにS先生がいるはず。
道も楽になり、少しずつ体力も回復してきた僕は、
ためしに先生の名を呼んでみることに。
『Sせんせ〜っ!!』
当然聞こえないだろうと思ったが、
遠くでこっちに向かって手を振る人が見える。
良くは見えないが、S先生のようだ。
何となく安心。
元気が出てくる。
近いようで、そこから10分は歩かなくてはならなかったが、
何とか4時半頃燕山荘のテン場に到着。
少し休んだ後、急いで食事の用意をする。
今日の夕食はレトルトのカレーだ。
ちゃんと野菜を持っていくいつもの山行と違い、
今回はレトルトをあたためるだけなのであっという間にできる。
食事の準備をしている時、雷がなった。
山の雷は怖い。
すぐ近くで落ちているような大きな音がするからだ。
今回も光った直後にものすごい大音量の雷がなり、
テント場にいた人皆が一瞬身構えていた。
それにしても、ここにつくまで雨にあわなかったのは、
実に運が良かった。
今後にむけて幸先の良いスタートを切ることができた。
S先生曰く、ここからのながめはすごい、とのこと。
今は曇っていて見通しがきかないが、
明日の朝見える景色が楽しみだ。
先生たちは二人して、燕山荘で
1000円の大ジョッキの生ビールを買って嬉しそうに飲んでいる。
この山行は一応部活動。
つまり先生たちはお仕事中なんですけど…。
7時ごろ、先生と生徒で二つのテントに分かれて、就寝。
なんと・・・
2001年8月6日ついに我が家にも冷房がついた。
両親が7月の暑さに耐え切れなくなって買った冷房。
工事を長いこと待たされて、今日になってついにお目見えとなった。
最近涼しい日が続いているだけに、
少々工事が遅すぎた感もあるが、
とりあえず、嬉しい。
今後の活躍を期待したい。
うちの両親が、
っていうか、うちの母親が冷房を買った。
この事実には若干の感慨を覚える。
以前にもちょっぴり述べたが、
うちの母親は妙なところで健康志向。
食品添加物には人一倍気を使うし、
カフェインの類は子供が小学生のうちは決して口に入れさせない。
例をあげだすときりがないが、要するにそんなお人だ。
当然、冷房機器に対しても、
厚さに対す対する抵抗力を弱めるだけ、
家の中の風通しを良くすれば、暑さなんて耐えられる、
お金もないし・・・。
という哲学の下、
「我が家にも冷房をつけて欲しい」という僕達兄弟の要請に対しても、
耳を貸さずに来た。
そんな母が、冷房を買った。
しかも、一度の2台も。
家族一同びっくりだ。
温暖化と、
同時期に受験を迎える子供たちの存在も
彼女の肩を押したようである。
それにしても、かつてあんなに頑固だった母が・・・。
一途に信念を貫き通すことに疲れたのか。
それだけのエネルギーを自分の中に見出せなくなったのか。
ようするに、うちの母ちゃんも年をとったということだろう。
自分の中で、妥協と言うことが許せるような年齢になってきたのだろう。
なんとなく、複雑な心境だ。
そんな母。
両親が7月の暑さに耐え切れなくなって買った冷房。
工事を長いこと待たされて、今日になってついにお目見えとなった。
最近涼しい日が続いているだけに、
少々工事が遅すぎた感もあるが、
とりあえず、嬉しい。
今後の活躍を期待したい。
うちの両親が、
っていうか、うちの母親が冷房を買った。
この事実には若干の感慨を覚える。
以前にもちょっぴり述べたが、
うちの母親は妙なところで健康志向。
食品添加物には人一倍気を使うし、
カフェインの類は子供が小学生のうちは決して口に入れさせない。
例をあげだすときりがないが、要するにそんなお人だ。
当然、冷房機器に対しても、
厚さに対す対する抵抗力を弱めるだけ、
家の中の風通しを良くすれば、暑さなんて耐えられる、
お金もないし・・・。
という哲学の下、
「我が家にも冷房をつけて欲しい」という僕達兄弟の要請に対しても、
耳を貸さずに来た。
そんな母が、冷房を買った。
しかも、一度の2台も。
家族一同びっくりだ。
温暖化と、
同時期に受験を迎える子供たちの存在も
彼女の肩を押したようである。
それにしても、かつてあんなに頑固だった母が・・・。
一途に信念を貫き通すことに疲れたのか。
それだけのエネルギーを自分の中に見出せなくなったのか。
ようするに、うちの母ちゃんも年をとったということだろう。
自分の中で、妥協と言うことが許せるような年齢になってきたのだろう。
なんとなく、複雑な心境だ。
そんな母。
北アルプスより・・・
2001年8月5日無事に帰ってまいりました。
なんかやたらと楽しい4日間だった。
憧れの槍ヶ岳に登れたし、
天気に恵まれ、素晴らしい景色を眺めることもできたし、
山についてのまた新たな発見があったし。
疲れたけど、達成感でいっぱいだ。
詳しい報告は、また後ほど。
なんかやたらと楽しい4日間だった。
憧れの槍ヶ岳に登れたし、
天気に恵まれ、素晴らしい景色を眺めることもできたし、
山についてのまた新たな発見があったし。
疲れたけど、達成感でいっぱいだ。
詳しい報告は、また後ほど。
明日から…
2001年8月1日腹立たしいほどの暑さの中、
今のところの志望校である大学の学校説明会に行って来ました。
家からチャリで20分。
高校より近いのがなんかおかしい。
朝9時半から受付開始なので、
しっかり『ちゅらさん』みてから家を出ることができました。
最初は講堂みたいなところに集められました。
わりと歴史の古い大学なので、
建物がいちいち時代を感じさせる。
講堂も正面舞台に下がるカーテンがやたら大袈裟だ。
学長の話を聞くことに。
学長の話自体はそんなに変わったこともなくて、
ようするに、
この学校はいいよ、だから皆頑張ってね♪
みたいなことを言ってくれたと思うんだけど、
なんか話し方が非常に個性的で、
妙な説得力と言うか、なんとなく聞かずにはおれない、
みたいな、そんなものを感じる話し方をする人でおもしろかった。
その後副学長の話を聞いて、解散。
後は自由に自分で考えて見学していいらしい。
でまぁ、付属図書館の見学ツアーとやらに参加することに。
この図書館がまた、ものすごくて、
150万冊の蔵書があるんだけど、
最近の改築によって、
100万冊の本を一度に開架に置く、というようなことが、
可能になったらしい。
つまり学生や先生たちは常に100万冊の本が自由に閲覧できるんだとか。
良くわかんないけど、やたら古そうな本がそこら中においてありました。
集密移動書架とかいう、ボタンを使って動かす書架が置いてあるフロアでは、
おもしろがって書架を移動させてたら、
書架の間に人がいて、あぶなくはさんでしまいそうになりました。
そんなこんなでちょっぴりドキドキの図書館見学でしたとさ。
その後、学食に行ったらやたら込んでたので、
食事をとるのは断念し、
そのまま、学部ごとの説明会に向かう。
僕は一応、法学部志望なので法学部の教室へ。
法学部では学部の概要を説明してくれた後、
三人の先生による模擬講義があった。
それぞれ20〜30分ほど自分の専門分野について話してくれる。
時間が限られているのでどの先生もやたら早口で、
メモを取るのに苦労したのだが、
これがめちゃくちゃおもしろい。
早口でありながらも、
例示の仕方とか相手に合わせた話の進め方が適切なので、
ものすごい説得力でもってぐいぐい押してくる。
普通、難しいことを聞いていると、
一つのことについて一瞬で理解できないとそのことについて深く考えてしまい、
それによってそこからの話が聞けなくなり、
話についていけなくなる、と言うことが良くあるけど、
そういうことがまったくない。
まぁ、高校生相手ということでかなりレベルを下げて話していたのだろうが、
ものすごい分かりやすさだった。
話の内容は今まで考えたことがないような高度なこと。
そんなことを分かりやすく説明できるところがすごい。
高校の授業とはまったく違う。
今日の模擬講義を聴いているだけで、
自分の知的好奇心がガシガシと満たされていく。
法学の、日常からすると『理屈っぽい』とも言える、
思考の進め方が自分にあってる気がした。
幸せな時間だった。
うーん、こんな講義が聞けるなんて、
大学って夢みたいなところだなぁ、ってそう思った。
この大学で勉強したい。
と強く思う。
なんか、この環境で充実した生活が送れそうな気がする。
だから頑張ろ。
とかって決意を新たにしたところで、
明日からはいよいよトレッキング部の夏合宿。
うーん、受験生としてこんなんでいいのかって気もするが、
まぁ、そこはしょうがない。
とりあえず、楽しみでしょうがないくらい楽しみなので、
槍ヶ岳を思いっきり楽しんでこよう。
そのあと、頑張ろう。
そんなわけで、本当は、
今日、僕が法学部を目指すことにしたっぽい理由とかも書こうかなとかって思ってたんだけど、
明日は朝早いので、それは省略。
でもいつか書こう。
僕は理屈っぽい時は、不必要に理屈っぽいので、
なんとなく、その辺の理由もちゃんと整理すればそれなりに理屈になる気がする。
そういうのって、書いて残したほうが自分に勢いがつく気がするので。
でも、とりあえず、槍ヶ岳へ。
今のところの志望校である大学の学校説明会に行って来ました。
家からチャリで20分。
高校より近いのがなんかおかしい。
朝9時半から受付開始なので、
しっかり『ちゅらさん』みてから家を出ることができました。
最初は講堂みたいなところに集められました。
わりと歴史の古い大学なので、
建物がいちいち時代を感じさせる。
講堂も正面舞台に下がるカーテンがやたら大袈裟だ。
学長の話を聞くことに。
学長の話自体はそんなに変わったこともなくて、
ようするに、
この学校はいいよ、だから皆頑張ってね♪
みたいなことを言ってくれたと思うんだけど、
なんか話し方が非常に個性的で、
妙な説得力と言うか、なんとなく聞かずにはおれない、
みたいな、そんなものを感じる話し方をする人でおもしろかった。
その後副学長の話を聞いて、解散。
後は自由に自分で考えて見学していいらしい。
でまぁ、付属図書館の見学ツアーとやらに参加することに。
この図書館がまた、ものすごくて、
150万冊の蔵書があるんだけど、
最近の改築によって、
100万冊の本を一度に開架に置く、というようなことが、
可能になったらしい。
つまり学生や先生たちは常に100万冊の本が自由に閲覧できるんだとか。
良くわかんないけど、やたら古そうな本がそこら中においてありました。
集密移動書架とかいう、ボタンを使って動かす書架が置いてあるフロアでは、
おもしろがって書架を移動させてたら、
書架の間に人がいて、あぶなくはさんでしまいそうになりました。
そんなこんなでちょっぴりドキドキの図書館見学でしたとさ。
その後、学食に行ったらやたら込んでたので、
食事をとるのは断念し、
そのまま、学部ごとの説明会に向かう。
僕は一応、法学部志望なので法学部の教室へ。
法学部では学部の概要を説明してくれた後、
三人の先生による模擬講義があった。
それぞれ20〜30分ほど自分の専門分野について話してくれる。
時間が限られているのでどの先生もやたら早口で、
メモを取るのに苦労したのだが、
これがめちゃくちゃおもしろい。
早口でありながらも、
例示の仕方とか相手に合わせた話の進め方が適切なので、
ものすごい説得力でもってぐいぐい押してくる。
普通、難しいことを聞いていると、
一つのことについて一瞬で理解できないとそのことについて深く考えてしまい、
それによってそこからの話が聞けなくなり、
話についていけなくなる、と言うことが良くあるけど、
そういうことがまったくない。
まぁ、高校生相手ということでかなりレベルを下げて話していたのだろうが、
ものすごい分かりやすさだった。
話の内容は今まで考えたことがないような高度なこと。
そんなことを分かりやすく説明できるところがすごい。
高校の授業とはまったく違う。
今日の模擬講義を聴いているだけで、
自分の知的好奇心がガシガシと満たされていく。
法学の、日常からすると『理屈っぽい』とも言える、
思考の進め方が自分にあってる気がした。
幸せな時間だった。
うーん、こんな講義が聞けるなんて、
大学って夢みたいなところだなぁ、ってそう思った。
この大学で勉強したい。
と強く思う。
なんか、この環境で充実した生活が送れそうな気がする。
だから頑張ろ。
とかって決意を新たにしたところで、
明日からはいよいよトレッキング部の夏合宿。
うーん、受験生としてこんなんでいいのかって気もするが、
まぁ、そこはしょうがない。
とりあえず、楽しみでしょうがないくらい楽しみなので、
槍ヶ岳を思いっきり楽しんでこよう。
そのあと、頑張ろう。
そんなわけで、本当は、
今日、僕が法学部を目指すことにしたっぽい理由とかも書こうかなとかって思ってたんだけど、
明日は朝早いので、それは省略。
でもいつか書こう。
僕は理屈っぽい時は、不必要に理屈っぽいので、
なんとなく、その辺の理由もちゃんと整理すればそれなりに理屈になる気がする。
そういうのって、書いて残したほうが自分に勢いがつく気がするので。
でも、とりあえず、槍ヶ岳へ。
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今日も暑い…。
2001年7月31日世田谷のシアタートラムと言う劇場に、
『ふたごの星』と言う劇を見に行った。
宮沢賢治原作の童話を、「音楽劇」という形式に
アレンジした感じの劇で、
まぁ、独特の雰囲気は楽しめたけど、
いまいち工夫にかけていて、そんなに楽しくなかった。
めんどくさいので、感想は省略。
劇中、ちょっと良かったセリフ。
チュンセはふたごの兄弟、ポオセを探している。
でも実際は自分がチュンセなのかポオセなのか、
分からない。
兄弟に会えればそれも分かると思っている。
そんなチュンセ(ポオセ)に三つ子の兄弟はこういってやる。
これだけは覚えときな。
人は皆ふたごなんだよ。
心の中にもう1人の自分を持っている。
心の中の自分が自分なのか、
それを見ている自分が自分なのか、
それは誰にも分からない。
そんな感じ。
…それだけ。
7月が終った。
なんか全体的に遊んでしまった感がある。
映画や劇に何度か行ったし、
部活動にもそれなりに頑張っちゃったし、
花火にも行ったし。
まぁ、それはそれでよかったと思うけど、
最近、ちょっとたるみ気味だ。
合宿が終ったら、そういうわけにもいかないので、
もっと頑張らねば。
筒井康隆の『パプリカ』と言う小説を読みきってしまった。
今日、ついつい手を出してしまったら止まらなくて…。
無邪気な天才科学者が作り出した、
他人の夢の中に入り込めるというサイコセラピー機器によって
現実と夢の区別がなくなり、
科学者同士の感情のもつれや内紛も絡んで、
色々と混乱が巻き起こる。
みたいな、わりと荒唐無稽なお話だったのだが、
妙にはまってしまった。
そんなわけで今、ちょっと夢が怖い。
巨大化した日本人形が襲って来たらどうしよう。
人面鳥見たいな怪物が火を吐いてたらどうしよう。
っていうか、怪しげな科学者がやってきて、
僕が寝てる間に僕の夢を操りだしたらどうしよう。
みたいな。
…や、そんな小説だったもんで。
それよりも同性愛者の精神学者に
急に後ろから抱きすくめられて、
求められたらどうしよう。
…いや、だから、そんな小説だったもんで。
あぁ、くだらない。
『ふたごの星』と言う劇を見に行った。
宮沢賢治原作の童話を、「音楽劇」という形式に
アレンジした感じの劇で、
まぁ、独特の雰囲気は楽しめたけど、
いまいち工夫にかけていて、そんなに楽しくなかった。
めんどくさいので、感想は省略。
劇中、ちょっと良かったセリフ。
チュンセはふたごの兄弟、ポオセを探している。
でも実際は自分がチュンセなのかポオセなのか、
分からない。
兄弟に会えればそれも分かると思っている。
そんなチュンセ(ポオセ)に三つ子の兄弟はこういってやる。
これだけは覚えときな。
人は皆ふたごなんだよ。
心の中にもう1人の自分を持っている。
心の中の自分が自分なのか、
それを見ている自分が自分なのか、
それは誰にも分からない。
そんな感じ。
…それだけ。
7月が終った。
なんか全体的に遊んでしまった感がある。
映画や劇に何度か行ったし、
部活動にもそれなりに頑張っちゃったし、
花火にも行ったし。
まぁ、それはそれでよかったと思うけど、
最近、ちょっとたるみ気味だ。
合宿が終ったら、そういうわけにもいかないので、
もっと頑張らねば。
筒井康隆の『パプリカ』と言う小説を読みきってしまった。
今日、ついつい手を出してしまったら止まらなくて…。
無邪気な天才科学者が作り出した、
他人の夢の中に入り込めるというサイコセラピー機器によって
現実と夢の区別がなくなり、
科学者同士の感情のもつれや内紛も絡んで、
色々と混乱が巻き起こる。
みたいな、わりと荒唐無稽なお話だったのだが、
妙にはまってしまった。
そんなわけで今、ちょっと夢が怖い。
巨大化した日本人形が襲って来たらどうしよう。
人面鳥見たいな怪物が火を吐いてたらどうしよう。
っていうか、怪しげな科学者がやってきて、
僕が寝てる間に僕の夢を操りだしたらどうしよう。
みたいな。
…や、そんな小説だったもんで。
それよりも同性愛者の精神学者に
急に後ろから抱きすくめられて、
求められたらどうしよう。
…いや、だから、そんな小説だったもんで。
あぁ、くだらない。
パンツ一丁で森の中を疾走する浅野忠信。
2001年7月30日今日は夏合宿の準備会。
行程・食事・持ち物などの最終的な確認を行なった。
もう準備は万全、後は木曜日に遅刻しないように出発するだけだ。
1年生のYさんに昨日見た「千と千尋」について話した。
ただ、『おもしろかったんだよぉ』みたいなことを、
言うだけのつもりだったのに、
なぜか話しているうちに調子に乗ってきて…。
僕が映画について深く説明すればするほど、
どんどん視点がおかしなことになっていくことに気が付いた。
どうでもいいことについての感想ばかり述べるから、
どんな映画だったのかなんてちっとも分かんなかったろうし、
千尋が髪を結ぶシーンが特にかわいかったんだ、って言うのだって、
よく考えたら、限定的過ぎてちょっとロリコンっぽいし、
『鮫肌男と桃尻女』の山田君役の俳優が蛙の声をやってたんだよぉ、
って言うのだって、
誰にも分かってもらえなかったし。
山田君は誰か、と言うことについて説明するために、
『鮫肌』の1シーンを説明してたら、
もっとマニアックになっていくし。
ちなみに山田君はちょっとかわいらしい殺し屋の人。
トイレの中で鮫肌を殺そうとして失敗したけど、
許してもらって優しさに感動したのか『好き…』とかって口走り、
鮫肌に『俺が出て行ったらドナドナ歌って歌い終わったら帰っていいよ』
って言われて、
本当に最後まで歌い出しちゃう人。
ドナドナ、めちゃくちゃ上手いし。
それで知らない人がトイレの中に入ってきたら
個室の中からドナドナの熱唱が聞こえてくんの。
でも興奮しながら、そんなことを説明してたら
どんどん『千と千尋』のさわやかな素晴らしさからは
遠ざかっていって…。
あぁ、違う、『千と千尋』はそんなんじゃないんだ、
って思っても、もう遅いし。
そんなこんなで『千と千尋』の説明に失敗した一日でした。
…あきれられてしまった。
でもいいんだっ。
でもYさんに言われて気付いたけど、
一番でかくなって千尋と座って話をしている時のカオナシは
ナウシカの最後のシーンの巨神兵のポーズに似ている。
さすがYさん、すごい発見だ。
そんなYさんは今、
恐ろしいほどの勢いで成長期だ。
どんどんでかくなっていく。
うーん、これはやばい。
うかうかしてると確実に追い抜かれてしまう。
追い抜かれる前に引退しようと心に決めました。
行程・食事・持ち物などの最終的な確認を行なった。
もう準備は万全、後は木曜日に遅刻しないように出発するだけだ。
1年生のYさんに昨日見た「千と千尋」について話した。
ただ、『おもしろかったんだよぉ』みたいなことを、
言うだけのつもりだったのに、
なぜか話しているうちに調子に乗ってきて…。
僕が映画について深く説明すればするほど、
どんどん視点がおかしなことになっていくことに気が付いた。
どうでもいいことについての感想ばかり述べるから、
どんな映画だったのかなんてちっとも分かんなかったろうし、
千尋が髪を結ぶシーンが特にかわいかったんだ、って言うのだって、
よく考えたら、限定的過ぎてちょっとロリコンっぽいし、
『鮫肌男と桃尻女』の山田君役の俳優が蛙の声をやってたんだよぉ、
って言うのだって、
誰にも分かってもらえなかったし。
山田君は誰か、と言うことについて説明するために、
『鮫肌』の1シーンを説明してたら、
もっとマニアックになっていくし。
ちなみに山田君はちょっとかわいらしい殺し屋の人。
トイレの中で鮫肌を殺そうとして失敗したけど、
許してもらって優しさに感動したのか『好き…』とかって口走り、
鮫肌に『俺が出て行ったらドナドナ歌って歌い終わったら帰っていいよ』
って言われて、
本当に最後まで歌い出しちゃう人。
ドナドナ、めちゃくちゃ上手いし。
それで知らない人がトイレの中に入ってきたら
個室の中からドナドナの熱唱が聞こえてくんの。
でも興奮しながら、そんなことを説明してたら
どんどん『千と千尋』のさわやかな素晴らしさからは
遠ざかっていって…。
あぁ、違う、『千と千尋』はそんなんじゃないんだ、
って思っても、もう遅いし。
そんなこんなで『千と千尋』の説明に失敗した一日でした。
…あきれられてしまった。
でもいいんだっ。
でもYさんに言われて気付いたけど、
一番でかくなって千尋と座って話をしている時のカオナシは
ナウシカの最後のシーンの巨神兵のポーズに似ている。
さすがYさん、すごい発見だ。
そんなYさんは今、
恐ろしいほどの勢いで成長期だ。
どんどんでかくなっていく。
うーん、これはやばい。
うかうかしてると確実に追い抜かれてしまう。
追い抜かれる前に引退しようと心に決めました。
♪呼んでいるぅ 胸のどこか奥で〜
2001年7月29日「千と千尋の神隠し」
見てきました。
とりあえず、良かったです。
なんか、本当に素直に感動しました。
幸せです。
今までのジブリ作品の中でもかなり秀でていた気がします。
「もののけ姫」はそんなにすごくは好きになれなかったし、
今まで一番好きだったのは「耳をすませば」だったんだけど、
「千と千尋」のが良かった。
ストーリーの展開がすごい。
物語には、ある程度「お約束」って言うか、
見ていて予想がつくようなお決まりの展開みたいなのが、
付きまとうと思うんだけど、
これにはそれがなかった気がする。
設定自体が独創性にとんでたし、
物語の展開もほとんど予想できないような
とんでもない方向に進んでいく。
後半ちょっと雑になったが、
前半は驚きの連続だった。
どうやったら、こんなこと思いつけるんだろう、みたいな。
物語の主軸が、
千尋が困難を乗り越える、とかってそういうんじゃなくて、
なんていうか、働きながら自分で生きる力を身につけていく、っていうこと
だったことが、とてもすがすがしかった。
千尋と言う女の子が、すごい子だとか、そういうわけでもないし、
みていて、「きっと何とかできるんだろう、主人公だもん」みたいな
安心感を感じるような子でもない。
どっちかっていうと危なっかしい子である。
冒頭の部分の千尋なんて、ぶーたれっ子そのものだし。
そんな子が、知らない人ばかりの中で一生懸命動いて
この世界での生き場所を見つけようとしている。
その姿がなんか新鮮で、見ていて気持ちが良かった。
でもだからって、普通の成長物語とかにしないところが、
宮崎駿だなって思った。
最初、両親に連れられてトンネルを入るときの千尋は
母親の手にしがみつきながら、怖がって入っていく。
冒険を経てトンネルを出る千尋を描く時、
普通は1人でしっかり歩ける千尋にしたがるのが人情だと思うけど、
やっぱり千尋は母親の手にしがみついているのだ。
そこがすごい。
そんなにしたら、やっぱり「普通」の映画になってしまうだろう。
それならそれでもいいだろうけど、
要するにこの映画はそういう映画ではなかったということなんだろう。
絵がきれいだった。
油屋の前の花とか、
千尋が電車に乗っていくときの周りの海とか。
油屋の建物の全容も壮観だったし。
色がふんだんにつかってあって、
あぁ、こだわったんだな、って思うような、
美しい映像だった。
見ていてほっとするようなそんな風景だった。
千尋以外の出てくるキャラクターも個性的で良かった。
特にカオナシ。
千尋に「帰ったほうがいい」って言われて、
「寂しい、寂しい」っていうの。
「千が欲しい、千が欲しい」って。
人との付き合いが下手で、
経験もないもんだから、思いつきではちゃめちゃやってしまう。
自分を表現することができないから、
気持ちを伝えられず、何も上手くいかない。
孤独になる一方。
そんな奴。
そんなカオナシが千尋と仲良くなりたくて、
他の皆が金を喜ぶもんだから、
千尋にも得意げに金をたくさん出して与えようとする。
もらってくれない千尋に、
単純に裏切られたと解し、
怒り狂うしかできない。
でも本当に怒ることもできない。
そんなカオナシが何となく哀しげで、でも良かった。
僕は映画に出てくる10代前後のヒロインにとことん弱い。
そういうキャラクターが出てたりすると、
見終わったあとに、その人に対して「いいな…」ってなってることが
多いんだけど、
今回も千尋がかわいかった。
特に銭婆にもらった髪留めを結ぶところと、
ススワタリに手を振るところの千尋に、僕はもうめろめろ。
何のためでもいいから
一生懸命生きようとする強い人は見ていて素敵だ、
って思った。
アニメ映画がここまで楽しかったのは久しぶりだ。
一度見た映画をもう一度見てもいいなって思ったのも久しぶりだし。
宮崎駿が改めてすごい人だなって思えた。
見終わった後に現実の世界に戻るのが切なかった。
楽しかった。
ついでながら付け足すと、今日は僕の誕生日だった。
18歳になってしまった。
母親と妹はキャンプに家にいないので、
父親と兄の3人で外で食事をし、それなりに祝ってもらった。
そんなのも久しぶりだ。
なんかあんまり誕生日を意識したりしないかなと思ってたんだけど、
そういうのもなんなので、二人が食事に行くついでに投票を済ませてる間に、
少し、感慨にふけってみた。
とりあえず、17歳が終った。
僕の17歳…。
17歳といえば少年犯罪が何よりも似合う年齢。
どうなることかとドキドキしたが、
なんか、色々あって楽しい1年だった。
あまり退屈しなかった気がする。
これまでに生きた17年間のうちで、
一番おもしろい1年だったかもしれない。
色んな経験をした。
人間として必ず一度は経験しなくちゃいけないこととか、
別に経験しなくてもいいのにって事とか。
以前より、人生のドラマ性がほんの少しだが、
増した気がする。
これが高校生活と言うものなのだろうか。
今までわりと平凡な人生を歩んできたもので、
そんなことがやけに嬉しかった。
そして、自分の価値観も少しずつ変化してきた。
色んな経験を通して、
生き方、スタンス、大事にすべきもの、などなど、
様々な物が以前の自分とは違うものになっていた。
色んな出来事が、それまでの自分を否定し、
新しい自分のスタイルを提案してくれた。
今だって変わりつづけているのかも。
そんな自分に驚いたり、あがこうとしたりもしたけど、
そんなんで、いいと思う。
まだ10代だし。
そっちの方がおもしろい。
人間って、そうやって自分を見つけていくもの、なんだろう。
18年目の年もこれくらい色々あるといいな。
…なんて、受験の年だけど。
とりあえず、無理せず、楽しく生きていこう、
そう思った。
見てきました。
とりあえず、良かったです。
なんか、本当に素直に感動しました。
幸せです。
今までのジブリ作品の中でもかなり秀でていた気がします。
「もののけ姫」はそんなにすごくは好きになれなかったし、
今まで一番好きだったのは「耳をすませば」だったんだけど、
「千と千尋」のが良かった。
ストーリーの展開がすごい。
物語には、ある程度「お約束」って言うか、
見ていて予想がつくようなお決まりの展開みたいなのが、
付きまとうと思うんだけど、
これにはそれがなかった気がする。
設定自体が独創性にとんでたし、
物語の展開もほとんど予想できないような
とんでもない方向に進んでいく。
後半ちょっと雑になったが、
前半は驚きの連続だった。
どうやったら、こんなこと思いつけるんだろう、みたいな。
物語の主軸が、
千尋が困難を乗り越える、とかってそういうんじゃなくて、
なんていうか、働きながら自分で生きる力を身につけていく、っていうこと
だったことが、とてもすがすがしかった。
千尋と言う女の子が、すごい子だとか、そういうわけでもないし、
みていて、「きっと何とかできるんだろう、主人公だもん」みたいな
安心感を感じるような子でもない。
どっちかっていうと危なっかしい子である。
冒頭の部分の千尋なんて、ぶーたれっ子そのものだし。
そんな子が、知らない人ばかりの中で一生懸命動いて
この世界での生き場所を見つけようとしている。
その姿がなんか新鮮で、見ていて気持ちが良かった。
でもだからって、普通の成長物語とかにしないところが、
宮崎駿だなって思った。
最初、両親に連れられてトンネルを入るときの千尋は
母親の手にしがみつきながら、怖がって入っていく。
冒険を経てトンネルを出る千尋を描く時、
普通は1人でしっかり歩ける千尋にしたがるのが人情だと思うけど、
やっぱり千尋は母親の手にしがみついているのだ。
そこがすごい。
そんなにしたら、やっぱり「普通」の映画になってしまうだろう。
それならそれでもいいだろうけど、
要するにこの映画はそういう映画ではなかったということなんだろう。
絵がきれいだった。
油屋の前の花とか、
千尋が電車に乗っていくときの周りの海とか。
油屋の建物の全容も壮観だったし。
色がふんだんにつかってあって、
あぁ、こだわったんだな、って思うような、
美しい映像だった。
見ていてほっとするようなそんな風景だった。
千尋以外の出てくるキャラクターも個性的で良かった。
特にカオナシ。
千尋に「帰ったほうがいい」って言われて、
「寂しい、寂しい」っていうの。
「千が欲しい、千が欲しい」って。
人との付き合いが下手で、
経験もないもんだから、思いつきではちゃめちゃやってしまう。
自分を表現することができないから、
気持ちを伝えられず、何も上手くいかない。
孤独になる一方。
そんな奴。
そんなカオナシが千尋と仲良くなりたくて、
他の皆が金を喜ぶもんだから、
千尋にも得意げに金をたくさん出して与えようとする。
もらってくれない千尋に、
単純に裏切られたと解し、
怒り狂うしかできない。
でも本当に怒ることもできない。
そんなカオナシが何となく哀しげで、でも良かった。
僕は映画に出てくる10代前後のヒロインにとことん弱い。
そういうキャラクターが出てたりすると、
見終わったあとに、その人に対して「いいな…」ってなってることが
多いんだけど、
今回も千尋がかわいかった。
特に銭婆にもらった髪留めを結ぶところと、
ススワタリに手を振るところの千尋に、僕はもうめろめろ。
何のためでもいいから
一生懸命生きようとする強い人は見ていて素敵だ、
って思った。
アニメ映画がここまで楽しかったのは久しぶりだ。
一度見た映画をもう一度見てもいいなって思ったのも久しぶりだし。
宮崎駿が改めてすごい人だなって思えた。
見終わった後に現実の世界に戻るのが切なかった。
楽しかった。
ついでながら付け足すと、今日は僕の誕生日だった。
18歳になってしまった。
母親と妹はキャンプに家にいないので、
父親と兄の3人で外で食事をし、それなりに祝ってもらった。
そんなのも久しぶりだ。
なんかあんまり誕生日を意識したりしないかなと思ってたんだけど、
そういうのもなんなので、二人が食事に行くついでに投票を済ませてる間に、
少し、感慨にふけってみた。
とりあえず、17歳が終った。
僕の17歳…。
17歳といえば少年犯罪が何よりも似合う年齢。
どうなることかとドキドキしたが、
なんか、色々あって楽しい1年だった。
あまり退屈しなかった気がする。
これまでに生きた17年間のうちで、
一番おもしろい1年だったかもしれない。
色んな経験をした。
人間として必ず一度は経験しなくちゃいけないこととか、
別に経験しなくてもいいのにって事とか。
以前より、人生のドラマ性がほんの少しだが、
増した気がする。
これが高校生活と言うものなのだろうか。
今までわりと平凡な人生を歩んできたもので、
そんなことがやけに嬉しかった。
そして、自分の価値観も少しずつ変化してきた。
色んな経験を通して、
生き方、スタンス、大事にすべきもの、などなど、
様々な物が以前の自分とは違うものになっていた。
色んな出来事が、それまでの自分を否定し、
新しい自分のスタイルを提案してくれた。
今だって変わりつづけているのかも。
そんな自分に驚いたり、あがこうとしたりもしたけど、
そんなんで、いいと思う。
まだ10代だし。
そっちの方がおもしろい。
人間って、そうやって自分を見つけていくもの、なんだろう。
18年目の年もこれくらい色々あるといいな。
…なんて、受験の年だけど。
とりあえず、無理せず、楽しく生きていこう、
そう思った。
もうすぐ…。
2001年7月27日いよいよ、夏の合宿が近付いてきました。
今日は、装備とパッキングの確認をしました。
朝から、やたら大きな荷物を持って電車に乗って、
また、夕方電車で帰ってくるのが、ちょっと辛かった。
重さもそうだけど、周りの視線が…。
結局僕はテントとなべを持っていくはめに。
全部で20kgくらいの荷物になりそうです。
それでも去年の合宿よりは軽くなりそうで一安心。
30日に準備会をして2日に出発。
憧れの槍ヶ岳。
楽しみだ。
今日は、装備とパッキングの確認をしました。
朝から、やたら大きな荷物を持って電車に乗って、
また、夕方電車で帰ってくるのが、ちょっと辛かった。
重さもそうだけど、周りの視線が…。
結局僕はテントとなべを持っていくはめに。
全部で20kgくらいの荷物になりそうです。
それでも去年の合宿よりは軽くなりそうで一安心。
30日に準備会をして2日に出発。
憧れの槍ヶ岳。
楽しみだ。
素敵な兄弟
2001年7月26日最近、妹のご機嫌がとってもいい。
まぁ、それは昨日も述べたように家族全員による
涙ぐましい努力の賜物なわけだが、
家の中に争いが少ないと言うのはいいことだ。
そういう時ってやっぱり兄弟がいてよかったなって思う。
とりあえず楽しい。
うちの兄弟はけっこうキャラが違う。
お嬢様タイプで思うように行かないと機嫌を悪くするけど、
機嫌がいいと喋り出すととまらない妹。
何考えてるのかいまいちよくわかんなくて、
周囲のことには我関せずでひたすらわが道を行く兄。
僕は最近は少し適当に生きようとは心がけてるけど、
結局兄弟の仲では一番常識的で、
周囲との協調ということを気にしている。
考え方のベクトルも、たしたら0になるくらい
正反対だ。
兄はよく分からないけど、ひたすら「ポップであること」だとか
「見た目の美しさ」みたいなことを追求してる。
妹はわりと「頑固な自分らしさ」を大事にするけど、
その割には、人目を気にするし、
お金への異常なまでの執着心と信頼を見せる。
僕はどっちかって言うと、お金とか見た目とかよりは
内面とかにこだわってしまうタイプだと思うし。
夢見る兄、厭世的な妹、現実的な僕、
という見方もできるかもしれない。
そんな3人なので、会話が盛り上がれば、
色んな方向に話が飛びながらも、かなり笑いの耐えない会話になる。
どんな議題に対しても、三者三様の意見が出てくる上に、
みんな譲らないので、余計に話はこんがらがる。
そうかと思えば、3人とも突っ込み好きなので、
誰かに対する突込みなら話があったりして…。
そんな時はやっぱり話しててめちゃくちゃ楽しい。
兄弟ならどんな恥ずかしいことしたり言ったりしても平気だし、
こんなこと言ったら嫌われるんじゃないかと言う心配が不要だし。
かなり自由度の高い会話を繰り広げることができる。
ちなみに今日盛り上がったのは、
鈴木大地は話す時の目の動きと微笑み方がポイントだと言うこと。
水泳は突込みどころがたくさんあっておもしろい。
今まで兄弟がいてよかったと思ったことなんてなかったけど、
意外にいいものなのかもしれないって最近そう思う。
じきに独立して離れ離れになるだろうから、
そうするともっとその大切さが分かってくるのかもな…、とも。
そんな感じで、なんかほのぼのした気分に浸った夏の夜でしたとさ。
まぁ、それは昨日も述べたように家族全員による
涙ぐましい努力の賜物なわけだが、
家の中に争いが少ないと言うのはいいことだ。
そういう時ってやっぱり兄弟がいてよかったなって思う。
とりあえず楽しい。
うちの兄弟はけっこうキャラが違う。
お嬢様タイプで思うように行かないと機嫌を悪くするけど、
機嫌がいいと喋り出すととまらない妹。
何考えてるのかいまいちよくわかんなくて、
周囲のことには我関せずでひたすらわが道を行く兄。
僕は最近は少し適当に生きようとは心がけてるけど、
結局兄弟の仲では一番常識的で、
周囲との協調ということを気にしている。
考え方のベクトルも、たしたら0になるくらい
正反対だ。
兄はよく分からないけど、ひたすら「ポップであること」だとか
「見た目の美しさ」みたいなことを追求してる。
妹はわりと「頑固な自分らしさ」を大事にするけど、
その割には、人目を気にするし、
お金への異常なまでの執着心と信頼を見せる。
僕はどっちかって言うと、お金とか見た目とかよりは
内面とかにこだわってしまうタイプだと思うし。
夢見る兄、厭世的な妹、現実的な僕、
という見方もできるかもしれない。
そんな3人なので、会話が盛り上がれば、
色んな方向に話が飛びながらも、かなり笑いの耐えない会話になる。
どんな議題に対しても、三者三様の意見が出てくる上に、
みんな譲らないので、余計に話はこんがらがる。
そうかと思えば、3人とも突っ込み好きなので、
誰かに対する突込みなら話があったりして…。
そんな時はやっぱり話しててめちゃくちゃ楽しい。
兄弟ならどんな恥ずかしいことしたり言ったりしても平気だし、
こんなこと言ったら嫌われるんじゃないかと言う心配が不要だし。
かなり自由度の高い会話を繰り広げることができる。
ちなみに今日盛り上がったのは、
鈴木大地は話す時の目の動きと微笑み方がポイントだと言うこと。
水泳は突込みどころがたくさんあっておもしろい。
今まで兄弟がいてよかったと思ったことなんてなかったけど、
意外にいいものなのかもしれないって最近そう思う。
じきに独立して離れ離れになるだろうから、
そうするともっとその大切さが分かってくるのかもな…、とも。
そんな感じで、なんかほのぼのした気分に浸った夏の夜でしたとさ。
妹よ…。
2001年7月25日母が妹に牛乳を2本買ってこさせた。
しかし妹の買ってきたのは2本とも加工乳。
本物の牛乳ではない。
その商品名もやがて消えゆく運命にある者たち。
いわゆる脱脂粉乳を水に溶かした奴だ。
妹は牛乳と偽者牛乳の区別も知らなかったらしい。
…なんておろかな。
中学3年生にもなって。
自分の妹が、場合によっては
雪印事件のような事が起きた時に、
『牛乳だと信じていたものが牛乳でなかったなんて!!』
などと牛乳会社に抗議して、
自分の無知と味覚音痴ぶりを日本中にさらけ出すはめに
なっていたかもしれないと考えると、
なんとも情けない限りだ。
そういうわけで我が家では偽者牛乳を
2本も飲み干さなくてはならなくなってしまった。
(まぁ、今日中に僕が飲み干しちゃったけどさ…。)
しかし、かといって、妹にその辺のことを指摘すると、
自分のした行為が家族のためにならなかった、
と言うことに傷付くばかりか、
(それくらいならまだいいのだが)
逆切れして、『じゃぁ、もう買い物行かない!!』
などと口走り、
以後、なかなか治らない妹の機嫌を著しく損ねることになり、
他の家族全員が害を被ることになってしまうのだ。
そう、それはすなわち我が家の『眠れる獅子』を
起こしてしまうことに他ならない。
だから僕たちには、妹の買ってきた牛乳を息をのんで見つめ、
顔をあわせることしか出来ないのだった。
いつか誰かが、よっぽど上手にタイミングを見計らい、
家族の運命を背負いつつ、妹にその辺を指導してやらねば…。
はぁ…。
しかし妹の買ってきたのは2本とも加工乳。
本物の牛乳ではない。
その商品名もやがて消えゆく運命にある者たち。
いわゆる脱脂粉乳を水に溶かした奴だ。
妹は牛乳と偽者牛乳の区別も知らなかったらしい。
…なんておろかな。
中学3年生にもなって。
自分の妹が、場合によっては
雪印事件のような事が起きた時に、
『牛乳だと信じていたものが牛乳でなかったなんて!!』
などと牛乳会社に抗議して、
自分の無知と味覚音痴ぶりを日本中にさらけ出すはめに
なっていたかもしれないと考えると、
なんとも情けない限りだ。
そういうわけで我が家では偽者牛乳を
2本も飲み干さなくてはならなくなってしまった。
(まぁ、今日中に僕が飲み干しちゃったけどさ…。)
しかし、かといって、妹にその辺のことを指摘すると、
自分のした行為が家族のためにならなかった、
と言うことに傷付くばかりか、
(それくらいならまだいいのだが)
逆切れして、『じゃぁ、もう買い物行かない!!』
などと口走り、
以後、なかなか治らない妹の機嫌を著しく損ねることになり、
他の家族全員が害を被ることになってしまうのだ。
そう、それはすなわち我が家の『眠れる獅子』を
起こしてしまうことに他ならない。
だから僕たちには、妹の買ってきた牛乳を息をのんで見つめ、
顔をあわせることしか出来ないのだった。
いつか誰かが、よっぽど上手にタイミングを見計らい、
家族の運命を背負いつつ、妹にその辺を指導してやらねば…。
はぁ…。
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今日の日記
2001年7月24日東京グローブ座に『リチャード2世』という劇を見にいった。
シェークスピアの作品だ。
東京グローブ座では毎年、
『子供のためのシェークスピア』と言うシリーズを上演している。
シェークスピア作品を年毎にちがう演目で
わりかし分かりやすい解釈で劇にしているのだ。
『子供のための〜』という、いかにも子供だまし的な名前に反して
なかなか上質な演劇を見せてくれるので、僕はかなり気に入ってて、
ここ数年、毎年この時期には、
東京グローブ座に足を運んでいる。
ちなみに去年は『リア王』だった。
それで今年の作品が『リチャード2世』でした、と言うわけ。
あらすじとしては、
昔々イングランドの国にリチャード2世という王様がいました。
でも、リチャードは国政に無関心、
多くの家臣・国民の恨みを買っている。
ある時、リチャードが期限付きで国外追放処分に処した上、
財産を没収した王の従兄弟、ヘンリー・ボリングブルックは、
王がアイルランドに攻め入っている間に、
イングランドに上陸、
武力と政治力でリチャード王の領土を分捕ってしまう。
このヘンリー・ボリングブルックはなかなか有能な政治家で、
リチャードから王権を奪い取り、
ヘンリー4世として即位してしまう。
リチャードは幽閉され、獄中で死亡するが…。
とまぁ、シェークスピアにありがちな、
やたらスケールのでかい政治ドラマである。
シェークスピアの作品の中ではかなりマイナーな作品に入るらしい。
どっちかと言うと、この続編である『ヘンリー4世』の方が有名だとか。
とにかく、演出の仕方が見事だ。
かっこいい。
というか、『クールだ』と言ったほうがいいかもしれない。
くどすぎる、ということがない。
余韻をのこしつつも小気味いいテンポで
物語は進んでいく。
劇の始まり。
舞台は黒一色。
舞台装置らしきものは何一つ見当たらない。
奥の方に黒い布の垂れ幕のようなものが数本垂れ下がっているのが、
かろうじて確認できる。
風の音が聞こえる。
かすかに「ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ…」というささやき声が聞こえたと思ったら、
全身を覆う黒マントと黒い帽子、黒い靴に
身を包んだ10人ほどの男女が机を運びながら、
体をゆすってどこからともなく登場する。
そのどこか厳かな感じに一瞬にして劇に引き込まれてしまうのだ。
唐突に物語は始まる。
王の家来どおしが決闘をはじめようとしている。
決闘自体は真面目なのだが、役者たちがどこかおちゃらけているので笑える。
始めはそんな感じで、
どんどんアドリブは飛び出るわ、劇中コントが意味もなく始まるわで、
なんかやたらおかしい。
役者たちも楽しそうだ。
そんなムードのなか物語は進んでいくのだが、
徐々に、展開に重みと深みが加わっていく。
そして物語の山場を迎える。
ヘンリーは、反逆によって王位を奪ったのだと言う国民の批判を恐れ、
国民の前でリチャードが自ら王冠を渡すよう命令する。
前半では権力をほしいままにし、威張り放題だったリチャードも
すっかり弱気になり、ヘンリーに服従の姿勢を示そうとするが、
しかし一方で王位への執着も捨てきれない。
かつての家臣、自分を裏切ってヘンリーの下に走った家臣たちの前で、
リチャードは絶望と悲しみ、未練の気持ちをあらわにする。
これが、この劇で一番長いシーンだった。
リチャードがかなり長いこと、独白を続ける。
残酷なシーンだ。
リチャードは言う。
『どうか私の最後の願いを聞いてくれ。
鏡を私に与えてくれ。
この哀れなかつての王が、どんな顔をしているのか、見てみたいのだ。』
弱者に成り下がった自分の顔を映したリチャードは、
鏡を頭にぶつけて割り、
むせび泣く。
王であったかつてのリチャードはそこにはなく、
ただ1人の弱い人間として、ひたすらあがきつづける。
人間の弱さ、醜さ、情けなさ、みたいなものを
まざまざと見せ付けられる。
目を背けたいけど背けることができないような
そんな感じだった。
貴族たちの権力争いによって、人間の本質を描く、
それがシェークスピアの劇、なんだと思うが、
今回の作品は特にその辺が強調されていた。
なんか見ていて、ひたすらきついシーンだった。
それだけに、シェークスピアの劇は相当の演技力が必要とされるのだと思う。
特にこのシーンではリチャード役の俳優の演技が
光っていた。
これだけ人間の醜さを表現するシーンだから
演じきるのはそうとう難しいと思うけど、
とてもいきいきと生の人間を演じていて、
すごかった。
他の共演者たちもみんな演技が上手で、
安心してみていられた。
このシリーズに出ている役者はもう何度か舞台で見ているので、
それぞれの役者のキャラもつかめてきているので、
余計に楽しめた。
この劇を見に行くことは、僕にとって、
毎年の夏休みのお楽しみ、みたいになっている。
肩がこらずに楽しんで見ていられるし、
演劇の世界の中にじっくり浸っていられる、
そんな感じがとても好きだ。
劇が終る時には『もう終ってしまうのか』とかって
かなり残念だった。
今年の『リチャード2世』は去年までに見た作品の中でも、
特に深みのあるシェークスピア作品だった気がする。
かなり深いところまで人間を追求していた。
すでに『子供のための〜』ではなくなっているのでは…、
と思うほど。
隣に座っていたかわいい女の子も
『ちょっと良く分かんなかったぁ。』とかって言ってたし。
でもそれだけ、終った後余韻に浸れて良かった。
幸せだった。
また来年も見に行きたいな。
シェークスピアの作品だ。
東京グローブ座では毎年、
『子供のためのシェークスピア』と言うシリーズを上演している。
シェークスピア作品を年毎にちがう演目で
わりかし分かりやすい解釈で劇にしているのだ。
『子供のための〜』という、いかにも子供だまし的な名前に反して
なかなか上質な演劇を見せてくれるので、僕はかなり気に入ってて、
ここ数年、毎年この時期には、
東京グローブ座に足を運んでいる。
ちなみに去年は『リア王』だった。
それで今年の作品が『リチャード2世』でした、と言うわけ。
あらすじとしては、
昔々イングランドの国にリチャード2世という王様がいました。
でも、リチャードは国政に無関心、
多くの家臣・国民の恨みを買っている。
ある時、リチャードが期限付きで国外追放処分に処した上、
財産を没収した王の従兄弟、ヘンリー・ボリングブルックは、
王がアイルランドに攻め入っている間に、
イングランドに上陸、
武力と政治力でリチャード王の領土を分捕ってしまう。
このヘンリー・ボリングブルックはなかなか有能な政治家で、
リチャードから王権を奪い取り、
ヘンリー4世として即位してしまう。
リチャードは幽閉され、獄中で死亡するが…。
とまぁ、シェークスピアにありがちな、
やたらスケールのでかい政治ドラマである。
シェークスピアの作品の中ではかなりマイナーな作品に入るらしい。
どっちかと言うと、この続編である『ヘンリー4世』の方が有名だとか。
とにかく、演出の仕方が見事だ。
かっこいい。
というか、『クールだ』と言ったほうがいいかもしれない。
くどすぎる、ということがない。
余韻をのこしつつも小気味いいテンポで
物語は進んでいく。
劇の始まり。
舞台は黒一色。
舞台装置らしきものは何一つ見当たらない。
奥の方に黒い布の垂れ幕のようなものが数本垂れ下がっているのが、
かろうじて確認できる。
風の音が聞こえる。
かすかに「ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ…」というささやき声が聞こえたと思ったら、
全身を覆う黒マントと黒い帽子、黒い靴に
身を包んだ10人ほどの男女が机を運びながら、
体をゆすってどこからともなく登場する。
そのどこか厳かな感じに一瞬にして劇に引き込まれてしまうのだ。
唐突に物語は始まる。
王の家来どおしが決闘をはじめようとしている。
決闘自体は真面目なのだが、役者たちがどこかおちゃらけているので笑える。
始めはそんな感じで、
どんどんアドリブは飛び出るわ、劇中コントが意味もなく始まるわで、
なんかやたらおかしい。
役者たちも楽しそうだ。
そんなムードのなか物語は進んでいくのだが、
徐々に、展開に重みと深みが加わっていく。
そして物語の山場を迎える。
ヘンリーは、反逆によって王位を奪ったのだと言う国民の批判を恐れ、
国民の前でリチャードが自ら王冠を渡すよう命令する。
前半では権力をほしいままにし、威張り放題だったリチャードも
すっかり弱気になり、ヘンリーに服従の姿勢を示そうとするが、
しかし一方で王位への執着も捨てきれない。
かつての家臣、自分を裏切ってヘンリーの下に走った家臣たちの前で、
リチャードは絶望と悲しみ、未練の気持ちをあらわにする。
これが、この劇で一番長いシーンだった。
リチャードがかなり長いこと、独白を続ける。
残酷なシーンだ。
リチャードは言う。
『どうか私の最後の願いを聞いてくれ。
鏡を私に与えてくれ。
この哀れなかつての王が、どんな顔をしているのか、見てみたいのだ。』
弱者に成り下がった自分の顔を映したリチャードは、
鏡を頭にぶつけて割り、
むせび泣く。
王であったかつてのリチャードはそこにはなく、
ただ1人の弱い人間として、ひたすらあがきつづける。
人間の弱さ、醜さ、情けなさ、みたいなものを
まざまざと見せ付けられる。
目を背けたいけど背けることができないような
そんな感じだった。
貴族たちの権力争いによって、人間の本質を描く、
それがシェークスピアの劇、なんだと思うが、
今回の作品は特にその辺が強調されていた。
なんか見ていて、ひたすらきついシーンだった。
それだけに、シェークスピアの劇は相当の演技力が必要とされるのだと思う。
特にこのシーンではリチャード役の俳優の演技が
光っていた。
これだけ人間の醜さを表現するシーンだから
演じきるのはそうとう難しいと思うけど、
とてもいきいきと生の人間を演じていて、
すごかった。
他の共演者たちもみんな演技が上手で、
安心してみていられた。
このシリーズに出ている役者はもう何度か舞台で見ているので、
それぞれの役者のキャラもつかめてきているので、
余計に楽しめた。
この劇を見に行くことは、僕にとって、
毎年の夏休みのお楽しみ、みたいになっている。
肩がこらずに楽しんで見ていられるし、
演劇の世界の中にじっくり浸っていられる、
そんな感じがとても好きだ。
劇が終る時には『もう終ってしまうのか』とかって
かなり残念だった。
今年の『リチャード2世』は去年までに見た作品の中でも、
特に深みのあるシェークスピア作品だった気がする。
かなり深いところまで人間を追求していた。
すでに『子供のための〜』ではなくなっているのでは…、
と思うほど。
隣に座っていたかわいい女の子も
『ちょっと良く分かんなかったぁ。』とかって言ってたし。
でもそれだけ、終った後余韻に浸れて良かった。
幸せだった。
また来年も見に行きたいな。
今日の日記
2001年7月23日今日は学校に数学の補講を受けに行って
図書室で勉強して、
和太鼓の音が聞こえてきたので、ちょっと叩きました。
けど、和太鼓は僕と2年生の二人だけで、寂しかったです。
いつも教えてくれる友達がいなくて、練習にならなかったし…。
なんか、他に特に、っていうか、ほとんど、おもしろいことの
ない日でした。
…つまんない。
図書室で勉強して、
和太鼓の音が聞こえてきたので、ちょっと叩きました。
けど、和太鼓は僕と2年生の二人だけで、寂しかったです。
いつも教えてくれる友達がいなくて、練習にならなかったし…。
なんか、他に特に、っていうか、ほとんど、おもしろいことの
ない日でした。
…つまんない。
父ちゃんと猫
2001年7月22日うちの父は猫が大好き。
小さい頃、かわいがりすぎて猫を殺してしまった経験が
あると言うのに、未だに猫を見ると目を輝かす。
こないだなんか、他に誰もいない家の中で、
野良猫を家に上げて遊んでるし。
今日の父。
パソコンに向かって仕事をしているとき、
窓の外に、塀の上を歩く猫を見つけた。
父『あっ、猫ちゃんだぁ。猫ちゃん〜♪』
とかなんとか言って、
口の先で、「チーチー…」、みたいな音を
しきりに発している。
これは父の得意技で、昔からこれをやると、
猫が近寄ってくるそうだ。
はっきり言って気色悪い。
お前、息子の前でそんなことやって恥ずかしくないのかよ。
父『え?べつにぃ。だって猫、かわいいんだよ。』
はいはい。そうですか。
父は本当は家でも猫を飼いたいらしい。
って言っても、どうせ自分では世話をしないことは
分かりきっているので、
母が許さないのだけれど…。
そんな父は、今年50歳。
某中学校の教頭先生をやっているらしい。
・・・。
小さい頃、かわいがりすぎて猫を殺してしまった経験が
あると言うのに、未だに猫を見ると目を輝かす。
こないだなんか、他に誰もいない家の中で、
野良猫を家に上げて遊んでるし。
今日の父。
パソコンに向かって仕事をしているとき、
窓の外に、塀の上を歩く猫を見つけた。
父『あっ、猫ちゃんだぁ。猫ちゃん〜♪』
とかなんとか言って、
口の先で、「チーチー…」、みたいな音を
しきりに発している。
これは父の得意技で、昔からこれをやると、
猫が近寄ってくるそうだ。
はっきり言って気色悪い。
お前、息子の前でそんなことやって恥ずかしくないのかよ。
父『え?べつにぃ。だって猫、かわいいんだよ。』
はいはい。そうですか。
父は本当は家でも猫を飼いたいらしい。
って言っても、どうせ自分では世話をしないことは
分かりきっているので、
母が許さないのだけれど…。
そんな父は、今年50歳。
某中学校の教頭先生をやっているらしい。
・・・。
かいおう〜!!
2001年7月21日今日、自分の高校の野球の試合の応援に行きました。
本当は暑いし、勉強もあるしで行くつもりはなかったんだけど、
強引な友達に誘われまくって…。
チャリでいったんで、めちゃくちゃ疲れました。
でも、やっぱり楽しかったです。
よく考えたら、高校野球の試合をちゃんと見ながら応援するのは
今日が初めてだった。
僕は一応、元応援団(引退したけど)。
1、2年のときの野球応援は応援団として参加していた。
応援団は、野球の試合で、グラウンドに背を向けて、
観客の方を向いて声を張り上げる。
そんなわけで、1,2年のとき
自分の高校の試合をちゃんと見られたことがない。
いつだって、応援していて、気が付いたら試合は終ってる。
その間どのように試合が動いたかなんて、
分かりはしない。
僕には、純粋な意味で高校野球を楽しんだことが一度もなかったのだ。
だから、僕にとって高校野球とは、
炎天下の中、腕を振り回し、ひたすら大声を張り上げるもの。
ついでに言えば、そのあとには、
応援団特有のいまわしい儀式(反省会 詳細は秘密)も待っている。
それだけの、言ってみれば、
ひたすら耐えるべきものでしかなかった気がする。
事実、高校野球と聞いただけで、その瞬間、僕の胸の奥には、
意識しないうちに、なんともいえない苦いものが広がっている。
そこには、テレビで見ていた高校野球のようなさわやかさもない。
観客が一体となって、チームの勝利を信じ、応援する感動もない。
そんなものだったのかもしれない。
だから、今日、初めてグラウンドに、選手たちに、目を向け、
友達と一緒に手をたたいて応援しているとき、
僕には、不思議な新鮮さがあった。
そう、これが高校野球だ。
選手たちは、ひたすら一途に白球だけを追いかける。
例えば普段見慣れたプロ野球とかに比べて、
技術的には劣るところがあるとしても、
みんな一生懸命にプレーしている、ってことはびしびしと伝わってくる。
それを感じ、応援する観客たち。
みんな、グラウンドでプレーする同じ高校の選手たちに、
必死で声援をおくる。
ダブルプレーひとつ取っただけで、球場中が沸き立つ。
今日のために彼らが懸命に練習してきてことが分かるから、
相手チームのプレーにだって、思わず力が入る。
できれば、全員の努力が報われて欲しい。
そんな気分になる。
それが僕の『はじめての』高校野球だった。
さわやかだった。
そんなこと今まで思ったことなかったけど、
ひたすら、さわやかだった。
あ、なんか、いい♪
そう思った。
暑かったけど、
日焼けして、鼻の頭は真っ赤になって恥ずかしかったけど、
でも、行って良かったと思った。
そして、もう一つ。
話は変わるが、魁皇が優勝した。
角番での優勝。
腰の痛みを抑えての優勝だ。
最後、魁皇が武蔵丸を上手投げでやぶった瞬間、
かなり感動した。
座布団の舞う中、勝ち名乗りを受ける魁皇の姿に
ちょっとうるうるってなった。
今場所、ずっと調子が悪くて、思うような相撲が取れなくて、
なんか、中途半端な相撲で勝ってきたけど、
優勝がきまる大一番で、しかもあの重い武蔵丸に対して、
実に見事な上手投げを決めてくれた。
魁皇と言えば、上手投げ。
というわけで、皆が待っていた、魁皇の上手投げだ。
それをこんな大一番で決めるって言うところがすごい。
見ているみんなの感動を呼ぶ。
やっぱり、魁皇とはそういう力士なのだ。
右上手を取った魁皇は誰にも負けない。
がっちりと右上手を取った瞬間、勝ったと思った。
そんな単純なところが好きだ。
曙、若乃花が引退した今、
これほど魅力的な力士が他にいるだろうか。
実力を認められながらも、その精神力の弱さゆえに、
なかなか上に上がれなかった、相撲人生の前半。
そして後半、急速に力をつけ、
今まさに頂点にもっとも近いところにいる。
あっという間に頂点まで駆け上がった貴乃花も、
それはそれで立派だと思うけど、
見ていて楽しいのはやはり魁皇のような力士だ。
綱取りのかかる来場所、
勝って欲しい、今度こそ。
魁皇ならやってくれるはず。
そんな気がする。
これまで散々外してくれたけど…。
本当は暑いし、勉強もあるしで行くつもりはなかったんだけど、
強引な友達に誘われまくって…。
チャリでいったんで、めちゃくちゃ疲れました。
でも、やっぱり楽しかったです。
よく考えたら、高校野球の試合をちゃんと見ながら応援するのは
今日が初めてだった。
僕は一応、元応援団(引退したけど)。
1、2年のときの野球応援は応援団として参加していた。
応援団は、野球の試合で、グラウンドに背を向けて、
観客の方を向いて声を張り上げる。
そんなわけで、1,2年のとき
自分の高校の試合をちゃんと見られたことがない。
いつだって、応援していて、気が付いたら試合は終ってる。
その間どのように試合が動いたかなんて、
分かりはしない。
僕には、純粋な意味で高校野球を楽しんだことが一度もなかったのだ。
だから、僕にとって高校野球とは、
炎天下の中、腕を振り回し、ひたすら大声を張り上げるもの。
ついでに言えば、そのあとには、
応援団特有のいまわしい儀式(反省会 詳細は秘密)も待っている。
それだけの、言ってみれば、
ひたすら耐えるべきものでしかなかった気がする。
事実、高校野球と聞いただけで、その瞬間、僕の胸の奥には、
意識しないうちに、なんともいえない苦いものが広がっている。
そこには、テレビで見ていた高校野球のようなさわやかさもない。
観客が一体となって、チームの勝利を信じ、応援する感動もない。
そんなものだったのかもしれない。
だから、今日、初めてグラウンドに、選手たちに、目を向け、
友達と一緒に手をたたいて応援しているとき、
僕には、不思議な新鮮さがあった。
そう、これが高校野球だ。
選手たちは、ひたすら一途に白球だけを追いかける。
例えば普段見慣れたプロ野球とかに比べて、
技術的には劣るところがあるとしても、
みんな一生懸命にプレーしている、ってことはびしびしと伝わってくる。
それを感じ、応援する観客たち。
みんな、グラウンドでプレーする同じ高校の選手たちに、
必死で声援をおくる。
ダブルプレーひとつ取っただけで、球場中が沸き立つ。
今日のために彼らが懸命に練習してきてことが分かるから、
相手チームのプレーにだって、思わず力が入る。
できれば、全員の努力が報われて欲しい。
そんな気分になる。
それが僕の『はじめての』高校野球だった。
さわやかだった。
そんなこと今まで思ったことなかったけど、
ひたすら、さわやかだった。
あ、なんか、いい♪
そう思った。
暑かったけど、
日焼けして、鼻の頭は真っ赤になって恥ずかしかったけど、
でも、行って良かったと思った。
そして、もう一つ。
話は変わるが、魁皇が優勝した。
角番での優勝。
腰の痛みを抑えての優勝だ。
最後、魁皇が武蔵丸を上手投げでやぶった瞬間、
かなり感動した。
座布団の舞う中、勝ち名乗りを受ける魁皇の姿に
ちょっとうるうるってなった。
今場所、ずっと調子が悪くて、思うような相撲が取れなくて、
なんか、中途半端な相撲で勝ってきたけど、
優勝がきまる大一番で、しかもあの重い武蔵丸に対して、
実に見事な上手投げを決めてくれた。
魁皇と言えば、上手投げ。
というわけで、皆が待っていた、魁皇の上手投げだ。
それをこんな大一番で決めるって言うところがすごい。
見ているみんなの感動を呼ぶ。
やっぱり、魁皇とはそういう力士なのだ。
右上手を取った魁皇は誰にも負けない。
がっちりと右上手を取った瞬間、勝ったと思った。
そんな単純なところが好きだ。
曙、若乃花が引退した今、
これほど魅力的な力士が他にいるだろうか。
実力を認められながらも、その精神力の弱さゆえに、
なかなか上に上がれなかった、相撲人生の前半。
そして後半、急速に力をつけ、
今まさに頂点にもっとも近いところにいる。
あっという間に頂点まで駆け上がった貴乃花も、
それはそれで立派だと思うけど、
見ていて楽しいのはやはり魁皇のような力士だ。
綱取りのかかる来場所、
勝って欲しい、今度こそ。
魁皇ならやってくれるはず。
そんな気がする。
これまで散々外してくれたけど…。
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今日の日記
2001年7月20日大相撲名古屋場所が大詰めです。
今までいっぱいで並んでた、魁皇と武蔵丸のうち、
武蔵丸が今日敗れまして、
明日、両者の直接対決で魁皇が勝ったら、
魁皇の優勝です。
とりあえず、今日は栃東最高!!
体小さいのに、あの重い武蔵丸を寄り切っちゃう辺りが、
ひたすらしびれました。
栃東はだから大好きです。
ただ魁皇の相撲はいまいちスカッとしない。
下がりながら何とか勝つって言う相撲が続いてるし、
今場所は豪快な右上手投げをあまり見ない。
魁皇ファンとしてはちょっと不満です。
でもまぁ、何はともあれ、優勝してもらいたいのは魁皇。
なんとか、勝って欲しいです。
今までいっぱいで並んでた、魁皇と武蔵丸のうち、
武蔵丸が今日敗れまして、
明日、両者の直接対決で魁皇が勝ったら、
魁皇の優勝です。
とりあえず、今日は栃東最高!!
体小さいのに、あの重い武蔵丸を寄り切っちゃう辺りが、
ひたすらしびれました。
栃東はだから大好きです。
ただ魁皇の相撲はいまいちスカッとしない。
下がりながら何とか勝つって言う相撲が続いてるし、
今場所は豪快な右上手投げをあまり見ない。
魁皇ファンとしてはちょっと不満です。
でもまぁ、何はともあれ、優勝してもらいたいのは魁皇。
なんとか、勝って欲しいです。
なんか・・・
2001年7月19日最近、所属するトレッキング部の後輩、Yさんの影響で、
プロ野球がちょっと好き。
僕は、もともと、
中学生くらいまではすごい熱烈な巨人ファンだった。
でも、あんまり巨人のやり方が汚いんで、だんだん冷めてきて、
ついにドラフトで上原と二岡を両方逆指名で巨人が獲得したって
聞いたときくらいから、巨人に対する興味を失った。
っていうか、嫌いになった。
それと同時に、プロ野球の自分の中の位置も、
大相撲に押されてかなり下がってきていた。
食事の時とかは、けっこう試合見てるけど。
でも、どうせ、巨人が大量点で勝つって分かってる試合なんて、
見てても全然おもしろくないし。
でも、このごろ、カープファンのYさんと話がやけに合う。
僕も試合自体は割と見てるから、
そんなにメジャーな選手じゃなくてもけっこう分かるんだけど、
これまで友達とそういう会話をすることは全然なかった。
その点、Yさんはおそらく僕よりもプロ野球に詳しくて、
ぽんと誰かの名前を出したり、その選手に対する批評を述べたりしても、
たいてい理解してくれるのだ。
お互いアンチ巨人ってことで、
意見がメチャクチャあうし。
しかも、最近は巨人のシーズン当初のような勢いが落ちてきて、
あれだけの選手集めていてどうやって負けられるんだ!?、って思うけど、
現にけっこう負けてくれる。
どう考えても、巨人より戦力的に数倍は弱いかと思われるチームが、
巨人と互角の戦いをして、しかも勝ったりする。
だから、このごろのプロ野球は見ていても、けっこうおもしろい。
だもんだから、僕とYさんはうはうはで、連日話題に事欠くことがない、
という状況なわけです。
もちろん、大相撲の方が好きだけどね。
でも、Yさんは大相撲見ないから、話ができないんだ。
シクシク…。
今日なんて、Yさんは神宮へ、広島-ヤクルト戦を見に行ったらしい。
広島は負けたんだけど。
そして、先発はYさんが期待していた黒田じゃなくて、
ラドウィックだったんだけど。
9回はけっこう追い上げたんだけど。
あぁ、9回表、最後まで逆転を信じていたYさんの姿が眼に浮かぶ。
かわいそ〜、Yさん。
でも、今日、阪神-巨人は阪神が勝った。
これで阪神は巨人に3タテだ。
あの阪神が、だ。
あのメンバーでどうやって勝つんだろう?って思うけど、
でも勝ったのだ。
9回に追いつかれちゃって、
「あ、やっぱり阪神。」って思ったけど、
11回にサヨナラ勝ちだ。
それまで、阪神投手陣が1点もやらなかったのがびっくり。
しかも、カツノリがサヨナラヒットだ。
一死満塁でカツノリなんて、おそらくほとんどの阪神ファンが
かけらも期待してなかったろうに、カツノリが打ったのだ。
もうなんか、めちゃくちゃ、気持ちいい。
阪神は最近やけに強いし。
チャンスの時に当り前のようにタイムリーが出るのでさえびっくりだ。
タイムリーの出る阪神なんて阪神じゃないっ、って思うくらい、信じられない。
っていうか、もう春先じゃないのに、阪神が強いのがもっとびっくりだ。
だから、プロ野球はおもしろい。
そして、阪神最高。
なにより、巨人が負けたのが嬉しすぎる。
これで、明日もさわやかに1日過ごせそうだ。
あぁ、だから、今日の感想をはやく、Yさんと話したい。
とりあえず、広島負けて残念だったね、といってあげたい。
そして、黒田じゃなくて、もっと残念だったねと言ってあげたい。
それから、前田が帰ってきたって情報について、真偽の程を確かめたい。
そして、高津はやっぱりぴりっとしないねと、言い合いたい。
そして、さり気なく、話題を阪神の方に持っていって、
3タテについて語りあいたい。
福原がかっこいい、って思うことを伝えたい。
そしてエヴァンスの顔はいつ見ても飽きない、と言うことについて同意を求めたい。
やっぱり、今回もネタは尽きないぞ。
どんどん深みにはまっていく気がする。
こんなんでいいのか、おれ!?
うーん、今日の日記は実に適当だ。
かなり暴走してしまった。
でも、いいのだ。
阪神が勝ったから。
プロ野球がちょっと好き。
僕は、もともと、
中学生くらいまではすごい熱烈な巨人ファンだった。
でも、あんまり巨人のやり方が汚いんで、だんだん冷めてきて、
ついにドラフトで上原と二岡を両方逆指名で巨人が獲得したって
聞いたときくらいから、巨人に対する興味を失った。
っていうか、嫌いになった。
それと同時に、プロ野球の自分の中の位置も、
大相撲に押されてかなり下がってきていた。
食事の時とかは、けっこう試合見てるけど。
でも、どうせ、巨人が大量点で勝つって分かってる試合なんて、
見てても全然おもしろくないし。
でも、このごろ、カープファンのYさんと話がやけに合う。
僕も試合自体は割と見てるから、
そんなにメジャーな選手じゃなくてもけっこう分かるんだけど、
これまで友達とそういう会話をすることは全然なかった。
その点、Yさんはおそらく僕よりもプロ野球に詳しくて、
ぽんと誰かの名前を出したり、その選手に対する批評を述べたりしても、
たいてい理解してくれるのだ。
お互いアンチ巨人ってことで、
意見がメチャクチャあうし。
しかも、最近は巨人のシーズン当初のような勢いが落ちてきて、
あれだけの選手集めていてどうやって負けられるんだ!?、って思うけど、
現にけっこう負けてくれる。
どう考えても、巨人より戦力的に数倍は弱いかと思われるチームが、
巨人と互角の戦いをして、しかも勝ったりする。
だから、このごろのプロ野球は見ていても、けっこうおもしろい。
だもんだから、僕とYさんはうはうはで、連日話題に事欠くことがない、
という状況なわけです。
もちろん、大相撲の方が好きだけどね。
でも、Yさんは大相撲見ないから、話ができないんだ。
シクシク…。
今日なんて、Yさんは神宮へ、広島-ヤクルト戦を見に行ったらしい。
広島は負けたんだけど。
そして、先発はYさんが期待していた黒田じゃなくて、
ラドウィックだったんだけど。
9回はけっこう追い上げたんだけど。
あぁ、9回表、最後まで逆転を信じていたYさんの姿が眼に浮かぶ。
かわいそ〜、Yさん。
でも、今日、阪神-巨人は阪神が勝った。
これで阪神は巨人に3タテだ。
あの阪神が、だ。
あのメンバーでどうやって勝つんだろう?って思うけど、
でも勝ったのだ。
9回に追いつかれちゃって、
「あ、やっぱり阪神。」って思ったけど、
11回にサヨナラ勝ちだ。
それまで、阪神投手陣が1点もやらなかったのがびっくり。
しかも、カツノリがサヨナラヒットだ。
一死満塁でカツノリなんて、おそらくほとんどの阪神ファンが
かけらも期待してなかったろうに、カツノリが打ったのだ。
もうなんか、めちゃくちゃ、気持ちいい。
阪神は最近やけに強いし。
チャンスの時に当り前のようにタイムリーが出るのでさえびっくりだ。
タイムリーの出る阪神なんて阪神じゃないっ、って思うくらい、信じられない。
っていうか、もう春先じゃないのに、阪神が強いのがもっとびっくりだ。
だから、プロ野球はおもしろい。
そして、阪神最高。
なにより、巨人が負けたのが嬉しすぎる。
これで、明日もさわやかに1日過ごせそうだ。
あぁ、だから、今日の感想をはやく、Yさんと話したい。
とりあえず、広島負けて残念だったね、といってあげたい。
そして、黒田じゃなくて、もっと残念だったねと言ってあげたい。
それから、前田が帰ってきたって情報について、真偽の程を確かめたい。
そして、高津はやっぱりぴりっとしないねと、言い合いたい。
そして、さり気なく、話題を阪神の方に持っていって、
3タテについて語りあいたい。
福原がかっこいい、って思うことを伝えたい。
そしてエヴァンスの顔はいつ見ても飽きない、と言うことについて同意を求めたい。
やっぱり、今回もネタは尽きないぞ。
どんどん深みにはまっていく気がする。
こんなんでいいのか、おれ!?
うーん、今日の日記は実に適当だ。
かなり暴走してしまった。
でも、いいのだ。
阪神が勝ったから。