捨て台詞で

2003年9月26日
 
「辞めるかもしれないです。」
  
  
  
あっちゃー、俺ってば言っちゃったよ。

っておもったら、夢だった。
 
 
 
あぶねーあぶねー。
 
 
 
 
 
もうひとつ。
大江健三郎の『遅れてきた青年』を読了。
中学生時代に始まり、大江健三郎を読み出して挫折してきたこと数回。
やっと最後まで楽しんでついていけるくらいには僕のおつむも良くなってきたということか。
昔読んだときは難解に感じたであろう、ぽんぽんと提示されていくイメージの重なりが、すんなりと心地よく理解できるようになった気がする。
夏学期に日本近代文学?の授業で書かされたレポートのおかげかもって思う。

作中で描かれた「遅れてきた」という心理。
戦場での名誉の戦死を望みながらも、それが可能となる年齢になる前に終戦を迎えてしまったために、その後の生活を通じて抱えてしまうある種の欠落感だと思うが、
そういった心理は僕らの世代にも共通するんじゃないかな、ってちょっと思った。
高度経済成長にもバブルにも間に合わなかった僕ら。
物心ついて多少なりとも社会に興味を持ち出した頃には既に、経済は停滞し、政治は失望しか生み出さず、成長の止まった日本が抱える構造的問題があちらこちらで噴出し始めていた。
これまでの短い人生を通じて、変化の可能性を信じようとする姿勢は粉砕され、日本の将来に対する希望などというものはぼくらの夢の中でしか語ることは出来ないことを学び取ってきた。
っていうとちょっと大げさだけど、繁栄を知る「上の世代」に対して、僕らの世代がなにかしら『ついていけない感じ』を共有しているのは事実なのではないかと思う。
それと作中の「遅れてきた」という心理。
ちょっとだけ似てねぇ?って思ったんだけど、やっぱりそれは僕の個人的な甘えかな。
ちゃんと希望を持って生きていこうとしている人たちは僕らの世代にもたくさんいるしね。

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