梨木香歩の本を久しぶりに読んでみた。この夏。森絵都とかと並んでここんとこ注目されてる児童文学の人、最近良く本屋で並んでるのを見かける気がする、エスカレーターあがって真正面のとことかに。
「からくりからくさ」が特に好き。前にこれを読んだときは大学生ってこういうものかと思ってた、ちょっとした憧れみたいなのとともに。クールさ、誠実さ、切迫感、余裕、深さ、軽さ…。
けど、まぁ、やっぱりというかなんというか。このぎゃっぷ。文系だからか、東京だからか、自宅生だからか、国立大だからか、大学までチャリで15分だからか。それとも幻想だったのか、そもそも。
それ以前にこういう世界に癒されてた、そして今も十分に癒される僕が、ちょっと良いと思う。自分の憧れがどういうところにあるのか、しかもそれはずっと同じところにあったらしい。ぜんぜん気づかなかったさ、ほんとにぜんぜん。
 
「癒し」っていう言葉。すっげー軽い。使ってて思った。
 
  
『若いねえ』は、大学に入ってから使用頻度が上がった。使ってしまう度に、その無神経さに身をよじりたくなるほどの恥ずかしさを感じる。既に自分は、相手のいる場所を通過してきたことを示すことで得ようとする優越感、その浅ましさ。相手の努力、思慮、苦悩、その他もろもろのものをなんともあっさりと否定しているような。
でも、高校生のときまでは言われて反感を感じたこの言葉に、大学に入って以降、共感できるものを感じるのも事実、だからこそ使用頻度上がってるわけで。昔の自分は確かに出来た、持っていた、許されていたいろんなこと。そんなものがやたらと増えてきた昨今、既に失ってしまった(様な気がしてしまう)それらを見るにつけ、なんともいえない寂しさがこみ上げる。そしてそれを単純に年齢や自分の成長のせいにしたくなる欲求。疲労感。
 
 
自分なんてそんな簡単に変わらないのかもしれない、変わるのは自分の立ち位置だけで。それなのに。

昔はあったのに、今はもうなくしたもの。昔はなかったけど、新たに手に入れたもの。
普段はそれしか見えない。
そういう風に出来ているんだとしか。見えない。 
 

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