災難

2001年11月28日
なんか、しばらくわりと平和な日々を過ごしてきたんで、

本気で怒りを覚えたのは、ずいぶん久しぶりでした。


チャリで学校からかえる途中のことです。

ぼくはそのとき、普通に歩道の上でチャリを走らせていました。
多少、ボーっと考え事をしていたとはいえ、
前から来る車のこともちゃんと視界の隅で認識していました。
その車が右折(僕がいる方)しようとしていることも。

でも、当然、こっちが優先だとおもったし、
その車、速度緩めててちゃんと一時停止してくれそうだったから、
僕は先にその道を横切らせてもらうことにしたわけです。

ところが、その車ちっとも止まろうとせず、
どんどんこっちに突っ込んできて、
やばいと思ったときには、体の左側をぶつけられ、道路に倒れていました。
その車がなんとか、僕の倒れている直前で止まってくれていたから良かったものの、
もし、もう少し速度が速かったりとかしたら、
多分今日の日記書けてないです。
(『今日の』っていうか・・・)

すっかりびびってしまっていた僕は、
とりあえず、運転手の顔も見ず、
自転車を起こし、鞄を拾いました。
まぁ、そうしてれば、心配して車から出てきて様子を聞いてくるだろうと思ってました。
文句の一つもいってやろう、そんなつもりでした。

ところが、その運転手、車から出てくる様子がありません。
それどころか、僕が車の横に退いた途端、
運転手は『気をつけな』という一言を残し、
さっさと言ってしまいました。

え?

『気をつけな』って、悪いのはおれかいっ!?

そりゃぁ、その運転手がちょっとやくざっぽいお兄さんとかだったりしたらあきらめもつくけど、
そいつはいかにも紳士然とした中年男性。
隣りにはこれまた上品そうな年配の女性まで乗せています。
そんなやつが、いかにも、『全く若い子はルールを守らないんだから』とでもいいたげな表情で、
『気をつけな』といったきり、
何も言わずに行ってしまったのです。

あまりのやるせなさに一瞬呆然としてしまいました。

当然、そのとき、怒りと驚きでナンバープレートを見る余裕もなし。
残された僕には、起きたことを忘れて家に帰るしかありませんでした。
怒ってはいましたが、状況が状況だけに、まぁ、命は助かってよかった。
そう、納得しようと思い直しました。


が。

自転車が進まない。

え?

よく見ると、明らかに前輪が曲がっています。

うわ。

倒れたときは気づかなかったけど、
あのときの衝撃は自転車には相当きつかったようです。

それでも、無理やり乗って漕ごうとしましたが、
やっぱり無理。
押して帰るしかないです。

そこから家まで歩くと約20分。

やり場の無い怒りを抱え、とぼとぼとひとり
夕暮れの街を自転車を押す少年。

ちょっと泣いてやろうかなとも思いましたが、
一応男の子だし、多分心配してくれる人もいないし、ってことで、
それはやめておきました。


やっとの思いで、家に帰り着き、
ほっとくとすごい勢いで凹んでいきそうな僕の心を奮い立たせ、
机の中から1万円ほどをかき集め、
自転車屋に向かいました。

家から自転車屋まで徒歩約10分。

歩くのはわりと平気なんですが、
精神状態は最悪なだけに、けっこう応えました。
気づいたら、口からは次々と呪詛の言葉があふれてきます。
傍から見ると、独り言を言っているようにしか見えないそんな僕に、
道行く見知らぬ人々が無遠慮な視線を向けてきます。
それでも、そんなの気にしてる余裕すらありません。
ただただ、怒りに身を震わせていました。


そして、自転車屋のおじさんの言葉がまたきつかった。

『あぁ、タイヤが曲がってるね。これはねー、自転車修理の中でも一番難しい部分でね。6300円かかるよ。』

6300円!!
きつすぎです。

今度はほんとにちょっと目がうるんだ気がしました。

修理は明日までかかると言うことで代わりの自転車を借り、
お金を払い、家路につきました。


家に帰り着き、もう何もする気力のなくなった僕は、
薄暗い部屋でひざを抱え、体育座りをして、
ひとり凹んでいました。

そんな僕なのに、隣りの部屋でミシンを動かしていた兄が、
『これから床屋行くから、洗濯物取り込むのやっといて』などと言い捨てて
家を出て行くし。

それは本来、兄が母親に頼まれた仕事。
暇そうにしてた僕が、体よく押し付けられた格好になってしまいました。

なんで、こんな精神状態の僕に兄は仕事を押し付けられるの?
なんで、こんなにも一度に災難が降りかかるの?
なんで、みんなして僕を追い詰めるの?
なんで、そんなに僕だけがいじめられるの?

っていうか、
なんで、ベランダの電球は切れてるの?

ベランダの電灯にまで虚仮にされてるよ、おれ。
はは。

しょうがないから、暗くて寒いベランダで、
黙々と洗濯物取り込んでやりました。

今日、僕の身に降りかかる災難が
これで最後になることを祈りながら。


実は、それだけじゃなくて、
もう一つ、家の中で障害物を飛び越そうとジャンプしたら、
ちょうどそこだけ低くなっている天井に、
思いっきり頭をぶっつけたりしたけど、
書いててどんどん凹んできたし、
それは他のと違って自分のせいで起きた災難なので、
これでやめとく。


そんなわけで、なんだか知らないけど、

最悪の一日でしたとさ。

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