今日の日記

2002年9月26日
古文の先生は気持ち悪い。

その顔。
その髪型。
シャツからはちきれそうなお腹。
「ああん♪」と「ねぇぇ?」を連発する話し方。
腰の振りと身振りがやたら大袈裟な説明の仕方。
そして、未だ独身で年がら年中いろんな女の人に振られているらしいことを、
授業の合間にそっともらすところまで、
とにかく何から何まで気持ち悪い。
1学期に初めて先生の授業を受けた時は、
その気持ち悪さにしばらくなれることが出来ず、戸惑ったものだ。
しかも、僕は視力の関係でたいてい前から2列目の真中の席を取ることにしている。
したがって顔を上げると講師と視線が合うことが良くある。
他の講師に関してはできるだけ視線をそらさずに入られる僕だが、その古文の講師とだけはどうしても視線が合わせられない。
気持ち悪いのだ。
まともに見つめることが出来ない。
それくらいの気持ち悪さを彼は持っている。

しかしである。
2学期になって、彼の気持ち悪さにもある程度慣れが生じ、
次に来るであろう気持ち悪さに対して予測が可能になるにつれて、
なんだか、彼のその授業に親しみを感じるようになってしまった。
授業終わった後に嫌な気持ちが少しも残らず、それどころか、なんとなく心地よい気分を味わった後のような爽快感が残ってしまうのである。

あれ?今ひょっとして楽しくなかった?

そんな感じ。

そして今朝、学校に向かうために自転車に乗っていた僕は、
心の中にある種のうきうき感を感じていた。
これから何か楽しいことが起きることを予感する時のあのかすかな高揚感。

・・・。
あれ?ひょっとして僕、楽しみ?


やばい。

これはやばい。

自分のなかであの気持ち悪さを受け入れるばかりか、
積極的に楽しもうとする心理が働こうとしている。
このままじゃいけない。
何とかしないと・・・。

しかし、
すでに慣れきってしまった僕には、もう気持ち悪さを感じることは出来なくなってしまっていた。
いや、気持ち悪さは感じても、
そこに嫌悪感を感じることが出来なくなっていた。
もうどうしようもない。

それは気持ち悪さに対する完全なる敗北だった。

敗れ去った僕は、軽い屈辱感と、否定しがたい爽快感とともに、
今日も、前から2番目の中央の席を取り、
先生の顔を直視することも出来ない気持ち悪さを楽しむのだった。


あぁ、恐るべし気持ち悪さ。

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