曙よ、永遠なれ。

2001年9月29日
今日は、曙の断髪式だった。

テレビで見た。


番組では、断髪式の様子を中心に、
曙のこれまでの人生の軌跡なんかもまとめてあって楽しかった。


初土俵のときの、
少しおどおどして節目がちになっている目が印象的だった。
それでも、その奥には、
誰にも負けない闘志が宿ってそうな目。
取り組みの時には、
相手の全てを呑み込むように、ぐっとにらみつける目。
あの目を見るたびに、なんとなく胸が、うれしいような、切ないような、
不思議な気分になるのを感じた。

かつて僕が、大相撲に引き込まれるようになったのも、
曙の相撲を見てからだ。
単なる、古めかしい国技ではなく、
一人の人間として、自分の力とそれまでの努力だけを信じて、
裸でぶつかっていく、
熱い、誇りと誇りのぶつかり合いを感じた覚えがある。
以後、僕は、大相撲の世界にはまっていく。
色んな力士が好きになったが、
そんな中でも、最も大相撲の醍醐味を感じさせてくれたのが、
曙だった。


小さい頃から『気はやさしくて力持ち』だった曙。
その優しさから、周りに批判されることはあったけど、
相撲に対する姿勢の強さは、とても立派だ。

そして、度重なるケガに苦しみながらも、
復活優勝を遂げて、
日本中の相撲ファンを感動させてくれた曙。


そんな曙が、僕は大好きだった。

今日、改めてそう思った。


KONISHIKIが、武蔵丸が、貴乃花が、
次々と曙の髷に、鋏を入れていく。

そして、東関親方が最後の鋏を入れたとき、
恥ずかしいが、泣いてしまった。

そのとき、家に誰もいなかったこともあって、
ぼろぼろと涙が出てきて、止まらなかった。

曙の最後の姿に、なんかもう、ひたすら感動した。

曙が、相撲をとっている時代に、
自分が生きていられて、
そして、彼の相撲を見られる機会があったことを、
うれしく思う。

ほんとに、彼が大好きだった。


僕は、

強かった曙を、

そして彼のあの優しく鋭い目の光を、

絶対忘れない。


そう思った。


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