夏合宿4日目

2001年8月10日
8月5日、トレッキング部夏合宿最終日

朝5時半起床。

今日は帰る日だ。
歩く距離もそう長くない。

朝食はラーメン。
ぱっと作れるし、食欲のない朝でもわりとすぐ食べられる。

荷物をまとめて出発。
最初、道端に咲いている花の名前を当てながら
だらだらと進む。

天気は快晴。
今日、槍ヶ岳に登ればよかったくらいだ。
真っ青な空に、穂高連峰がそびえている。
灰色の岩肌から下に、濃い緑の森が続き、
目の前には槍沢の眩しいばかりの真っ白な河原。
カレンダーにでもなってそうな、やたらさわやかな風景だ。
朝から気分がよい。
ここは上高地からの散歩道になっているくらいで、
ほとんど高度差がない平らな道だ。
サンダルで歩ける。

徳沢というキャンプ場でソフトクリームを買って食べる。
そんなものが出るようなところまで下りてきた。
そんな実感がある。

歩いていくほど、人の数も増えていく。
大きな荷物を抱えているので歩くのにも苦労する。
もうここらは立派な観光地だ。
徐々に道も良くなり、木道なんかも登場する。

3時間ほどで上高地に無事に到着。
何となく、観光地気分に流されて、お土産なんかも選んでしまう。

バスで新島々という私鉄の駅へ。
松本まで行き、JRに乗り換え。
ここで、帰りは特急で帰る先生たちと別れ、
鈍行に揺られて一路東京へ。

我が家に帰り着いたのは、6時半頃であった。


楽しい山行だった。
山で3泊したのは初めてだったが、
思っていたほどきついものでもない。
疲れを翌日に持ち越してしまうことが不安だったが、
疲れなんて1日寝れば吹っ飛ぶし。
むしろ2日目3日目の方が快適に歩くことができた。
3泊が耐えられれば、今後何泊だって耐えられる気がする。

その山行の満足度は天候の良し悪しにかなり左右されるが、
天候については今回、かなりついていた気がする。
1日目は上りの途中で降られたら最悪だったが、
降りそうでいて結局降られなかったし。
2日目は文句のつけようがないほど快晴だったし。
3日目に晴れてくれなかったのは残念だったが。

アウトドアと言うフィールドに対して妙な適性を感じた。
なんとなく、野外で生活してると安らぎを覚える。
そんなこと初めてだけど。
身の回りのことについて深く考えない、というようなところが、
自分にあってるのかもしれない。

1人で歩く、というのも案外いいかもしれない、
ということを発見したのも、今回の山行だ。
別に皆といて嫌だった、とか言うつもりではないが、
歩いていて、ふと、一人になった時に、
不思議な新鮮さに包まれたのも事実だ。
なんともいえない孤独感(H先生は「郷愁」と表現していたが)、
内面のみに向けられる意識と思考。
『大自然と、自分という個』
閉鎖的であり、開放的でもある、この不思議な環境でしか感じられない、
何かがあるような気がする。

もともと自分は、
1人でいるということをそんなに苦にしないタイプだ、と思う。
周りの人に多くを求め依存する、ということもあまりしてこなかったし。
っていうか、できないし。
『誰かに支えられる』ということに対しても、
期待することに、ほぼ『諦め』に近い意識をもっている気もする。

自分に向き合いたくなった時に、ふらっと、
山を歩いてみる、そういうのもちょっといいかも。
そう思った。
もうちょっと大人になったら。


そんなことをまたグダグダと考えながら、
山にたたずんでみた。
わりとのんびりする時間もあったので、
そんな暇もあったのだ。

とりあえず、みんな無事に帰ってこられて、良かった。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索