夏合宿3日目
2001年8月9日8月4日、トレッキング部夏合宿3日目
朝3時起床。
風が強い。
このテント場は稜線上にあるので、風をさえぎるものもなく、
その強さはハンパじゃない。
テントの上にかけるフライシートが、
今にも飛ばされそうにバタバタいっている。
今日の朝食はパンとスープ。
風を避けてテントの中で済ませる。
狭い。
朝から雲ひとつない快晴であった昨日と違い、
今朝は、若干の曇り空だ。
槍ヶ岳の山頂も曇っていて、見えない。
9時ごろまでに晴れてくれればいいのだが…。
一向に弱まらない風の中、急いで荷造りをする。
軽いものは放って置くとすぐ飛ばされてしまうので注意が必要だ。
荷物をまとめ、出発。
最初、道は急な斜面を下ったのち、
また上りはじめる。
途中、はしごや鎖もたくさんあり、歩いていてなかなかおもしろい。
今日の順番は、H先生、Yさん、僕、Mくん、T、S先生。
Yさんに負担をかけないよう、ゆっくり歩いて行く。
もう、目の前に迫ってきた槍ヶ岳は、
雲に隠れたり、顔を出したり。
なかなか安定しない。
山頂で景色が見られるかは、タイミング勝負になりそうだ。
道はそんなに平坦ではないが、その分確実に高度を稼いでいける。
朝早く、涼しいので、歩いていてもそんなにきつくはない。
道はせまく、風はかなり強い。
特にはしごなどでは、自分が飛ばされそうで、ちょっと緊張する。
結構あっという間に殺生ヒュッテに到着。
長めの休憩を取る。
見上げれば、槍ヶ岳がそびえている。
あと少しだ。
槍ヶ岳山荘までの少々急な坂を上っていく。
足場は安定しているし、ジグザグをきって登っていくので、
そんなにきつくもない。
ここまでくると集団客が多く、かなりの混みようだ。
30分ほど上って、槍ヶ岳山荘に到着。
ここから先が、槍ヶ岳のクライマックスだ。
残り80mの急角度の岩場。
岩にはりつくようにして、一列になって登る。
途中で人を追い越すことができないほど狭いコースだ。
実におもしろい。
はしごあり、鎖あり、
時には平らな岩に杭が打ってあるだけの場所も。
足場を慎重に見つけながら、手足を全部使って登っていく。
ちょっとしたスリルがたまらない。
僕の一番好きなタイプのコースだ。
こんなところならあと200mほどあってもいいのに。
そんな感じ。
そんなこんなでなんとか山頂到達。
槍ヶ岳、標高3180m。
日本で5番目に高い山らしい。
あいにく雲がかかっていて周りは真っ白。
残念だ。
じっと眺めていると、ふと周りの雲が晴れた。
すぐ下に子槍が見える。
『ラーンラランラン♪』とアルペン踊りを踊ったりするところだ。
あんなところでどうやって踊るんだろう。
間抜けなようでなかなか高度な技のようだ。
遠くの方はあまり見えないが、近くの山くらいなら見下ろせる。
雲が晴れるのは一瞬だけ。
『あ、晴れたぞ。』と思った次の瞬間には、
もうそこは白い雲で覆われている。
槍は、なかなか多くを見せてはくれないのだ。
うーん、そういうのもなかなかいいぞ。
そう思った。
山頂にじっとしてると、次から次へと登山客が上ってくる。
狭い山頂はすぐいっぱいになる。
おばさんのパーティーが多い。
おばさんたちは登りきった感動に涙していた。
槍ヶ岳山荘に戻ってくる。
予定では今日はすぐ下の殺生ヒュッテで泊まることになっているのだが、
まだ時間は11時過ぎ。
予定を変更すればもっと下りることはできる。
計画どおりに殺生ヒュッテで泊まった場合、
最終日にかなりの距離を下らなくてはならないことを考えると、
今日のうちに少しでも下っておいた方が良い。
そんなわけで、予定を変更して、
今日は横尾というキャンプ場まで下りることに。
最終日歩く予定だった距離の半分をこれから歩くことになるわけだ。
槍ヶ岳山荘での食事後、さっききた道を殺生ヒュッテまで降りる。
途中、たった1人で黙々と登っていく60〜70才のおばあさんと
すれ違った。
辛そうだけど一生懸命に一歩一歩登っている。
僕たちがひょいひょいと登ってしまう道も、
年配の人にとっては大変な苦労をしなくては登れない道なのだ。
それでも登りたくて、やっとの思いでここまできたのだろう。
なんというか、すごいな、って思った。
脇によって道をあける僕たちに、おばあさんが
『ごめんなさいねぇ、歩くの遅くて…。』と
申し訳なさそうに笑っていた姿が印象的だった。
S先生が
『山頂ついたら、泣いちゃうんだろうな。』とつぶやいていた。
殺生ヒュッテでまた少し長めに休憩を取る。
ここからは4時間以上、ひたすら下ることになる。
空の雲の色も少し濃くなっている。
天気が心配だ。
沢沿いの道。
周りには雪渓がたくさんある。
そんなに急でない平坦な道がずぅっと続くので、
おもしろくはないけど、きつくもない道だ。
中高年が多い。
これから登っていく団体客と何度もすれ違う。
歩き始めて1時間ほどしたころ、急に雨が降り出した。
けっこう激しい。
雷もなっている。
雨具を着て、急いで下る。
下りの道でもあり、
雨の中、休憩などとは言っていられない。
ひたすら歩くしかない。
下り始めは水が流れていなかった沢にも、
水が流れ出す。
周りを見まわすとあちこちの山の斜面に小さな滝が出来ている。
それらが全て、道の横を流れる沢に合流している。
なかなか壮観だ。
雨は1時間半ほどでやんだ。
結局、横尾のキャンプ場についたのは5時前。
ずっと下りだったが、かなりの距離を歩いてしまった。
さすがに疲れた。
食事をあまりとっていなくて体力が心配だったYさんも、
ちゃんと歩ききることが出来た。
辛いだろうに、常にポーカーフェイスで疲れを見せない。
なんか、この人には根性と底力を感じる。
すごい人だ。
ここまでくると、後は、明日3時間ほど平坦な道を歩くだけだ。
ほぼ全行程が終了したといっていい。
笑顔がこぼれる。
今日の夕食はビビンバご飯だ。
同じくスーパーで売ってた奴。
芯も残らずに、なんとかうまく炊けた。
味のほうは好き嫌いが分かれたが。
でも、Yさんに食べてもらうことが出来た。
やった♪
なんか、もう、病気がちのお姫様に、
作った夕食を食べていただけるか、固唾を飲んで見守る召使Aの心境だ。
『い、いかがでしょう、姫様…。』
・・・ごめんね、Yさん。
S先生が道の途中で見つけたわさびをみんなで食べてみる。
根は石を洗ってすりおろし、
茎は塩とこしょうでいためた。
自然な辛さがあってなかなかうまい。
本当はしょうゆがあると良かったのだが。
明日の朝、そんなに早く起きる必要もないので、
何となく、生徒4人でトランプをすることに。
やりだすと案の定、熱中してしまい、
結局、寝たのは12時を過ぎていた。
朝3時起床。
風が強い。
このテント場は稜線上にあるので、風をさえぎるものもなく、
その強さはハンパじゃない。
テントの上にかけるフライシートが、
今にも飛ばされそうにバタバタいっている。
今日の朝食はパンとスープ。
風を避けてテントの中で済ませる。
狭い。
朝から雲ひとつない快晴であった昨日と違い、
今朝は、若干の曇り空だ。
槍ヶ岳の山頂も曇っていて、見えない。
9時ごろまでに晴れてくれればいいのだが…。
一向に弱まらない風の中、急いで荷造りをする。
軽いものは放って置くとすぐ飛ばされてしまうので注意が必要だ。
荷物をまとめ、出発。
最初、道は急な斜面を下ったのち、
また上りはじめる。
途中、はしごや鎖もたくさんあり、歩いていてなかなかおもしろい。
今日の順番は、H先生、Yさん、僕、Mくん、T、S先生。
Yさんに負担をかけないよう、ゆっくり歩いて行く。
もう、目の前に迫ってきた槍ヶ岳は、
雲に隠れたり、顔を出したり。
なかなか安定しない。
山頂で景色が見られるかは、タイミング勝負になりそうだ。
道はそんなに平坦ではないが、その分確実に高度を稼いでいける。
朝早く、涼しいので、歩いていてもそんなにきつくはない。
道はせまく、風はかなり強い。
特にはしごなどでは、自分が飛ばされそうで、ちょっと緊張する。
結構あっという間に殺生ヒュッテに到着。
長めの休憩を取る。
見上げれば、槍ヶ岳がそびえている。
あと少しだ。
槍ヶ岳山荘までの少々急な坂を上っていく。
足場は安定しているし、ジグザグをきって登っていくので、
そんなにきつくもない。
ここまでくると集団客が多く、かなりの混みようだ。
30分ほど上って、槍ヶ岳山荘に到着。
ここから先が、槍ヶ岳のクライマックスだ。
残り80mの急角度の岩場。
岩にはりつくようにして、一列になって登る。
途中で人を追い越すことができないほど狭いコースだ。
実におもしろい。
はしごあり、鎖あり、
時には平らな岩に杭が打ってあるだけの場所も。
足場を慎重に見つけながら、手足を全部使って登っていく。
ちょっとしたスリルがたまらない。
僕の一番好きなタイプのコースだ。
こんなところならあと200mほどあってもいいのに。
そんな感じ。
そんなこんなでなんとか山頂到達。
槍ヶ岳、標高3180m。
日本で5番目に高い山らしい。
あいにく雲がかかっていて周りは真っ白。
残念だ。
じっと眺めていると、ふと周りの雲が晴れた。
すぐ下に子槍が見える。
『ラーンラランラン♪』とアルペン踊りを踊ったりするところだ。
あんなところでどうやって踊るんだろう。
間抜けなようでなかなか高度な技のようだ。
遠くの方はあまり見えないが、近くの山くらいなら見下ろせる。
雲が晴れるのは一瞬だけ。
『あ、晴れたぞ。』と思った次の瞬間には、
もうそこは白い雲で覆われている。
槍は、なかなか多くを見せてはくれないのだ。
うーん、そういうのもなかなかいいぞ。
そう思った。
山頂にじっとしてると、次から次へと登山客が上ってくる。
狭い山頂はすぐいっぱいになる。
おばさんのパーティーが多い。
おばさんたちは登りきった感動に涙していた。
槍ヶ岳山荘に戻ってくる。
予定では今日はすぐ下の殺生ヒュッテで泊まることになっているのだが、
まだ時間は11時過ぎ。
予定を変更すればもっと下りることはできる。
計画どおりに殺生ヒュッテで泊まった場合、
最終日にかなりの距離を下らなくてはならないことを考えると、
今日のうちに少しでも下っておいた方が良い。
そんなわけで、予定を変更して、
今日は横尾というキャンプ場まで下りることに。
最終日歩く予定だった距離の半分をこれから歩くことになるわけだ。
槍ヶ岳山荘での食事後、さっききた道を殺生ヒュッテまで降りる。
途中、たった1人で黙々と登っていく60〜70才のおばあさんと
すれ違った。
辛そうだけど一生懸命に一歩一歩登っている。
僕たちがひょいひょいと登ってしまう道も、
年配の人にとっては大変な苦労をしなくては登れない道なのだ。
それでも登りたくて、やっとの思いでここまできたのだろう。
なんというか、すごいな、って思った。
脇によって道をあける僕たちに、おばあさんが
『ごめんなさいねぇ、歩くの遅くて…。』と
申し訳なさそうに笑っていた姿が印象的だった。
S先生が
『山頂ついたら、泣いちゃうんだろうな。』とつぶやいていた。
殺生ヒュッテでまた少し長めに休憩を取る。
ここからは4時間以上、ひたすら下ることになる。
空の雲の色も少し濃くなっている。
天気が心配だ。
沢沿いの道。
周りには雪渓がたくさんある。
そんなに急でない平坦な道がずぅっと続くので、
おもしろくはないけど、きつくもない道だ。
中高年が多い。
これから登っていく団体客と何度もすれ違う。
歩き始めて1時間ほどしたころ、急に雨が降り出した。
けっこう激しい。
雷もなっている。
雨具を着て、急いで下る。
下りの道でもあり、
雨の中、休憩などとは言っていられない。
ひたすら歩くしかない。
下り始めは水が流れていなかった沢にも、
水が流れ出す。
周りを見まわすとあちこちの山の斜面に小さな滝が出来ている。
それらが全て、道の横を流れる沢に合流している。
なかなか壮観だ。
雨は1時間半ほどでやんだ。
結局、横尾のキャンプ場についたのは5時前。
ずっと下りだったが、かなりの距離を歩いてしまった。
さすがに疲れた。
食事をあまりとっていなくて体力が心配だったYさんも、
ちゃんと歩ききることが出来た。
辛いだろうに、常にポーカーフェイスで疲れを見せない。
なんか、この人には根性と底力を感じる。
すごい人だ。
ここまでくると、後は、明日3時間ほど平坦な道を歩くだけだ。
ほぼ全行程が終了したといっていい。
笑顔がこぼれる。
今日の夕食はビビンバご飯だ。
同じくスーパーで売ってた奴。
芯も残らずに、なんとかうまく炊けた。
味のほうは好き嫌いが分かれたが。
でも、Yさんに食べてもらうことが出来た。
やった♪
なんか、もう、病気がちのお姫様に、
作った夕食を食べていただけるか、固唾を飲んで見守る召使Aの心境だ。
『い、いかがでしょう、姫様…。』
・・・ごめんね、Yさん。
S先生が道の途中で見つけたわさびをみんなで食べてみる。
根は石を洗ってすりおろし、
茎は塩とこしょうでいためた。
自然な辛さがあってなかなかうまい。
本当はしょうゆがあると良かったのだが。
明日の朝、そんなに早く起きる必要もないので、
何となく、生徒4人でトランプをすることに。
やりだすと案の定、熱中してしまい、
結局、寝たのは12時を過ぎていた。
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