夏合宿2日目
2001年8月8日8月3日、トレッキング部夏合宿第2日目
朝3時起床。
急いで朝食を取り、
空荷で燕岳山頂に向かう。
燕岳は甲斐駒のような花崗岩の山。
岩場の中を歩いて行く。
日の出に間に合わせようと、かなりのハイペースで歩いたので、
15分ほどで山頂につく。
東の方向には下のほうに雲海が広がっている。
まだ太陽は出ていない。
東の果てでは、朝焼けで雲がオレンジに染まっている。
皆でじっと日の出を待つ。
西の方向にはあさって登る槍ヶ岳のとがった山頂も見える。
やはり槍ヶ岳の、槍先がまっすぐに空に突き出ている姿はひときわ目立つ。
先の部分は80mしかないらしいが、もっとずっと高いように見える。
この辺でも見ていて、一番かっこいい山だ。
登るのが楽しみでしょうがない。
雲がないので、あたりの山々が全部見える。
どの山も形や色が皆違う。
こんなにたくさんの山があるのに、
一つ一つの山がその中に埋もれず、その存在を強烈に主張している。
そんな感じ。
壮観だ。
やがて、太陽が雲海から顔を出し始める。
皆黙って見つめる。
神聖な時間が流れる。
が、そんなところにH先生、
『雲海があって明るいから、そんなに感動的でもないね。
もっと暗いと良かったのに・・・。』
とかって、一気に白ける一言。
せんせい…。
もう、苦笑するしかない。
そんなH先生。
後ろを振り返るとこれまで日が当たっていなかった山々にも
山頂の方から光を反射し始めている。
僕たちのいる東側の山の影が、
西側の山肌にくっきりと浮かび上がる。
かっこいい。
しばらくたたずんだ後、急いで山を下りる。
テント場で荷をまとめてから、歩き始める。
T、Yさん、Mくん、僕、H先生、S先生の順だ。
今日のコースは表銀座という名前がついているほど、
歩きやすく、一般的なコースだ。
天気も良いので、歩いている間中、
周りの景色が遠くまでばっちり見えるし、
稜線上なので風があたり、とても涼しい。
わりと平らな道が続くので、ちっとも疲れない。
歩いていて、一番嬉しいコースだ。
こんなコースならいつまでも歩いていられる。
一晩寝たので、体調もばっちり。
昨日のあの辛さがウソのようだ。
しばらく、軽い上り下りを繰り返す。
道から常に見えている槍ヶ岳が少しずつ近くなっていくのが分かる。
2時間ほど歩くと、
やがて大天井(おてんしょう)岳の上りにさしかかる。
ここは今日の一番の山場だといっていい。
そんなに長くもないが、だらだらした上りが続く。
こういう坂では一気に上ろうとしてもばてるだけ。
重心がずれて体をふらつかせたりすると、
どんどん疲れがたまってしまう。
足を運ぶペースを呼吸に合わせ、
慎重に足場を選びながら一歩一歩進んでいく。
つぼにはまれば、そんなにきついこともない。
そろそろ日も高くなり、日光が僕たちの上に照りつける。
岩場の道であるだけに、照り返しがきつい。
30分ほど登りつづけ、やっと大天荘に到着。
気付いたら、Yさんがかなりへばっている。
暑さで顔が真っ赤だ。
これ以上歩くのは、明らかに無理っぽい。
ここから歩いて10分の距離にある大天井岳山頂に行くのは後にして、
先に昼食を食べることに。
昼食はラーメンだ。
インスタントなのであっという間にできる。
が、Yさんは食欲もなく、食べられないとのこと。
山の上で物が食べられないと言うのは、死活問題にもなりうる。
コレハ、チョットヤバイカモ…。
さすがに、みんな深刻な表情をし始める。
だが、しかし、僕たちが昼食を食べ終わったころには、
Yさんの顔色も少しは良くなり、体調も戻ってきたようだ。
全員で大天井岳に上ることにする。
良かった。
せっかく6人できたのだから、できれば全行程を6人で歩きたい。
無理はいえないが。
空荷で山頂に向かう。
すぐに山頂に到着。
これから歩いて行く尾根が見える。
そしてその先には槍ヶ岳が。
朝、燕岳で見たときより、だいぶ近付いている。
槍ヶ岳はいつ見てもかっこいい。
ほれぼれしてしまうほどだ。
何より、山頂付近はかなりの急角度の岩場。
僕は岩場が大好きだ。
明日、あれに登ると考えると、ワクワクしてくる。
再び、大天荘に戻ってくる。
Yさんに食欲が少し戻ってきたようなので、食事を用意する。
何とか食べられたようで、ほっと一安心。
Yさんの負担を少しでも減らすため、Yさんの分の装備を
みんなで分けて持つことにし、
出発。
大天井岳からの道は最初、かなり下るが、
大天井ヒュッテを過ぎたあたりから道はわりと平らになる。
後はひたすら距離を稼ぐだけだ。
道の周りには色んな種類の花が咲いている。
途中、歩きながら大声を上げている、やたらハイテンションな大学生パーティーに出会った。
道が少しごろごろすると、
先頭の奴が『足元注意っ!!』などと鋭く叫び、
すぐ後ろの奴が大声で返事。
それを1人ずつ繰り返していく。
要するに体育会系のノリだ。
うるさいったらない。
体力を消耗するだけだと思うが・・・。
テンションは高いくせに足は遅いので、あっさり抜くことができる。
抜く時の気まずいこと。
奴らのテンションに押されて、こっちはやたら沈んでいくし。
要するにいい迷惑だ。
まぁ、どうでもいいが。
3時ごろ、なんとか西岳山荘に到着。
夕食にはちょっと早い。
先生たちはまたビールを飲みにいき、
僕たちはしょうがないから1本300円の缶ジュースを飲みにいく。
その後は、外でだらだら。
美術科のS先生は山の絵を書いている。
YさんとM君、H先生は昼寝。
僕とTは読書。
思いかけず、のんびりと気持ちの良い時間を過ごしてしまった。
5時ごろ、夕食をつくる。
今日は鳥釜飯。
スーパーで売ってた、米の中に入れて、炊けばいい奴だ。
が、気圧が高いためか、炊き上がった米には芯が。
どーん。
なんとか、改善しようと、おじやにしたり、炒めてみたり…。
いまいちおいしい夕食にならなかった。
一番の問題点は、Yさんが「ご飯を口にすると吐きそうになる」、
ということで、夕飯をまともに食べられなかったこと。
これで、明日1日体力が持つのだろうか。
とても心配だ。
そんな時くらい、おいしい食事を作ってあげたかった。
反省…。
7時ごろ、H先生に『眠り薬』をもらって、眠りにつく。
『お酒じゃないよ。』
先生はそう言った。
『薬だ。』と。
先生的には、「うめしゅ」は「おさけ」じゃないらしい。
何度もいうけど、部活動なんだけどね・・・。
そういいながら、喜んでもらっていた、僕とTとM君。
そして、すすめても、
『イヤです!!』とこっちがひるむほどはっきり断ったYさん。
そんな2日目の夜。
朝3時起床。
急いで朝食を取り、
空荷で燕岳山頂に向かう。
燕岳は甲斐駒のような花崗岩の山。
岩場の中を歩いて行く。
日の出に間に合わせようと、かなりのハイペースで歩いたので、
15分ほどで山頂につく。
東の方向には下のほうに雲海が広がっている。
まだ太陽は出ていない。
東の果てでは、朝焼けで雲がオレンジに染まっている。
皆でじっと日の出を待つ。
西の方向にはあさって登る槍ヶ岳のとがった山頂も見える。
やはり槍ヶ岳の、槍先がまっすぐに空に突き出ている姿はひときわ目立つ。
先の部分は80mしかないらしいが、もっとずっと高いように見える。
この辺でも見ていて、一番かっこいい山だ。
登るのが楽しみでしょうがない。
雲がないので、あたりの山々が全部見える。
どの山も形や色が皆違う。
こんなにたくさんの山があるのに、
一つ一つの山がその中に埋もれず、その存在を強烈に主張している。
そんな感じ。
壮観だ。
やがて、太陽が雲海から顔を出し始める。
皆黙って見つめる。
神聖な時間が流れる。
が、そんなところにH先生、
『雲海があって明るいから、そんなに感動的でもないね。
もっと暗いと良かったのに・・・。』
とかって、一気に白ける一言。
せんせい…。
もう、苦笑するしかない。
そんなH先生。
後ろを振り返るとこれまで日が当たっていなかった山々にも
山頂の方から光を反射し始めている。
僕たちのいる東側の山の影が、
西側の山肌にくっきりと浮かび上がる。
かっこいい。
しばらくたたずんだ後、急いで山を下りる。
テント場で荷をまとめてから、歩き始める。
T、Yさん、Mくん、僕、H先生、S先生の順だ。
今日のコースは表銀座という名前がついているほど、
歩きやすく、一般的なコースだ。
天気も良いので、歩いている間中、
周りの景色が遠くまでばっちり見えるし、
稜線上なので風があたり、とても涼しい。
わりと平らな道が続くので、ちっとも疲れない。
歩いていて、一番嬉しいコースだ。
こんなコースならいつまでも歩いていられる。
一晩寝たので、体調もばっちり。
昨日のあの辛さがウソのようだ。
しばらく、軽い上り下りを繰り返す。
道から常に見えている槍ヶ岳が少しずつ近くなっていくのが分かる。
2時間ほど歩くと、
やがて大天井(おてんしょう)岳の上りにさしかかる。
ここは今日の一番の山場だといっていい。
そんなに長くもないが、だらだらした上りが続く。
こういう坂では一気に上ろうとしてもばてるだけ。
重心がずれて体をふらつかせたりすると、
どんどん疲れがたまってしまう。
足を運ぶペースを呼吸に合わせ、
慎重に足場を選びながら一歩一歩進んでいく。
つぼにはまれば、そんなにきついこともない。
そろそろ日も高くなり、日光が僕たちの上に照りつける。
岩場の道であるだけに、照り返しがきつい。
30分ほど登りつづけ、やっと大天荘に到着。
気付いたら、Yさんがかなりへばっている。
暑さで顔が真っ赤だ。
これ以上歩くのは、明らかに無理っぽい。
ここから歩いて10分の距離にある大天井岳山頂に行くのは後にして、
先に昼食を食べることに。
昼食はラーメンだ。
インスタントなのであっという間にできる。
が、Yさんは食欲もなく、食べられないとのこと。
山の上で物が食べられないと言うのは、死活問題にもなりうる。
コレハ、チョットヤバイカモ…。
さすがに、みんな深刻な表情をし始める。
だが、しかし、僕たちが昼食を食べ終わったころには、
Yさんの顔色も少しは良くなり、体調も戻ってきたようだ。
全員で大天井岳に上ることにする。
良かった。
せっかく6人できたのだから、できれば全行程を6人で歩きたい。
無理はいえないが。
空荷で山頂に向かう。
すぐに山頂に到着。
これから歩いて行く尾根が見える。
そしてその先には槍ヶ岳が。
朝、燕岳で見たときより、だいぶ近付いている。
槍ヶ岳はいつ見てもかっこいい。
ほれぼれしてしまうほどだ。
何より、山頂付近はかなりの急角度の岩場。
僕は岩場が大好きだ。
明日、あれに登ると考えると、ワクワクしてくる。
再び、大天荘に戻ってくる。
Yさんに食欲が少し戻ってきたようなので、食事を用意する。
何とか食べられたようで、ほっと一安心。
Yさんの負担を少しでも減らすため、Yさんの分の装備を
みんなで分けて持つことにし、
出発。
大天井岳からの道は最初、かなり下るが、
大天井ヒュッテを過ぎたあたりから道はわりと平らになる。
後はひたすら距離を稼ぐだけだ。
道の周りには色んな種類の花が咲いている。
途中、歩きながら大声を上げている、やたらハイテンションな大学生パーティーに出会った。
道が少しごろごろすると、
先頭の奴が『足元注意っ!!』などと鋭く叫び、
すぐ後ろの奴が大声で返事。
それを1人ずつ繰り返していく。
要するに体育会系のノリだ。
うるさいったらない。
体力を消耗するだけだと思うが・・・。
テンションは高いくせに足は遅いので、あっさり抜くことができる。
抜く時の気まずいこと。
奴らのテンションに押されて、こっちはやたら沈んでいくし。
要するにいい迷惑だ。
まぁ、どうでもいいが。
3時ごろ、なんとか西岳山荘に到着。
夕食にはちょっと早い。
先生たちはまたビールを飲みにいき、
僕たちはしょうがないから1本300円の缶ジュースを飲みにいく。
その後は、外でだらだら。
美術科のS先生は山の絵を書いている。
YさんとM君、H先生は昼寝。
僕とTは読書。
思いかけず、のんびりと気持ちの良い時間を過ごしてしまった。
5時ごろ、夕食をつくる。
今日は鳥釜飯。
スーパーで売ってた、米の中に入れて、炊けばいい奴だ。
が、気圧が高いためか、炊き上がった米には芯が。
どーん。
なんとか、改善しようと、おじやにしたり、炒めてみたり…。
いまいちおいしい夕食にならなかった。
一番の問題点は、Yさんが「ご飯を口にすると吐きそうになる」、
ということで、夕飯をまともに食べられなかったこと。
これで、明日1日体力が持つのだろうか。
とても心配だ。
そんな時くらい、おいしい食事を作ってあげたかった。
反省…。
7時ごろ、H先生に『眠り薬』をもらって、眠りにつく。
『お酒じゃないよ。』
先生はそう言った。
『薬だ。』と。
先生的には、「うめしゅ」は「おさけ」じゃないらしい。
何度もいうけど、部活動なんだけどね・・・。
そういいながら、喜んでもらっていた、僕とTとM君。
そして、すすめても、
『イヤです!!』とこっちがひるむほどはっきり断ったYさん。
そんな2日目の夜。
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