夏合宿1日目

2001年8月7日
8月2日、トレッキング部夏合宿第一日目。

朝4時起床。
父をたたき起こし、集合場所の立川駅まで車で送ってもらう。

朝5時半立川駅集合。

今回参加するのは、
同級生のT、2年生のM君、1年生のYさん、
顧問のH先生、S先生、そして僕の6人だ。
そのうち、S先生は合宿の直前に
所属する「山の会」の山行に参加しているため、
先に山に入っていて、
今日(1日目)の目的地である燕山荘でおちあうことになっている。


登山口までは、
JRで穂高の駅まで行き、そこからはタクシーを使う。
今回は交通費を安くするために、青春18キップを購入してある。
いうまでもないが、青春18キップは、
11500円で期間中の任意の5日間、
特急以外のJRの列車にに乗り放題できる、という切符だ。

もちろん、1人で5日間でなくても、
5人が同時に1日で使っても良いのだが、
そこで問題なのは、この切符が5枚綴りになっているのではなく、
1枚の切符に5つのはんこを押すしくみになっていると言うこと。
したがって、複数の人が同じ切符を使って同時に電車に乗る場合、
一枚の切符で同時に改札を通らなくてはならない。
つまり、別々に改札を通って車内で落ち合うと言うことができないのだ。
その辺が、少々面倒だ。

今回は立川集合組と八王子集合組に分かれて集合したのだが、
なんとか、全員が改札を済ませ、
6時15分高尾発松本行きの電車で落ち合う。

松本で乗り換えて、10時11分に穂高駅着。
あらかじめ予約しておいたタクシーに乗る。
タクシーで運転手さんに話を聞くと、
ここ10日くらい晴れの日が続いていたのだが、
つい昨日、激しい夕立が降ったそうだ。
一度、夕立が降ると翌日も続く可能性が高いとか。
周りの山々を見上げると、どの山も山頂付近に雲がかかっている。
天候が不安だ。

40分ほどで登山口のある中房温泉に到着。
昼食は電車の中で済ませてある。
すぐ出発だ。
歩く順番は、Yさん、僕、M君、T、H先生の順。

最初、道はちょっと、ハンパじゃなく急だ。
今まで経験したことがないくらい。
ちょっと歩いただけで、すぐ汗が噴き出てくる。
皆、自然に視線が下を向く。
かなり、きつい。

しかも、今回、僕の荷物は20kgを超えている。
他の人は15〜17kg前後だというのに、
なぜか1人僕だけ、頑張ってしまっているのだ。

この道には、途中にある合戦小屋という休憩所まで、
4つのベンチが、だいたい30分おきくらいに等間隔でおいてある。
登山者はそのベンチで自由に休むことができる。

第1ベンチ到着。
ここには湧き水の水場があるのだが、
今回の山行ではこの先、4日目まで水場が一つもない。
全員もって来たボトルに水を詰める。

第2ベンチにつく少し前くらいから、
早くも僕の気分が悪くなる。
なんか、妙に息苦しい。
かなりばてている。
重い荷物が予想以上に体力を奪ってしまったようだ。
体調自体もあまりよくなかったのかもしれない。

第2ベンチで休憩しても、
歩き出すとすぐに呼吸がきつくなる。
足は重くなり、体がふらふらしだす。
先を行くYさんの方がよっぽど元気そうだ。
何とも情けないが、体が言うことを聞かない。
これで最後まで上りきることができるのか、不安になる。
黙々と歩を進めるしかない。

ここでYさんが蜂蜜につけたレモンをくれる。
装備には入っていなかったが、
レモンティーにしようと思って持ってきたのだそうだ。
さすが女の子。
男の子とは気が付くところが違う。
疲れた体にレモンのすっぱさはたまらなく美味い。
なんか、ちょっと感動してしまった。

第3ベンチ。
道はゆるくなっては来てるが、きつさは変わらない。
そろそろ、雲行きが怪しくなる。
この空模様なら、雨くらいはすでに覚悟している。
ほてった体に雨が当たるのは、案外涼しそうな気もする。
でも、これから稜線上に出るだけに、雷だけは勘弁して欲しい。

第4ベンチを経て、合戦小屋に到着。
歩き始めて3時間余り。
これまでの休憩は5分ほどだったが、
ここでは少々長めに休憩を取る。

この合戦小屋では、
下から荷揚げ用の小さなケーブルを使って
様々な資材や食料を運び上げることが可能だ。
そのためここではなんと、登山客にスイカを販売している。
わりと大きなスイカの8分の1切れが800円だ。
ちょっと高すぎる気もしたが、
なんとなく、予算で3切れを購入することに。
5人とも疲れていたのだ。

3切れのスイカを5人で分けて食べる。
冷たく冷やされたそのスイカはとても甘い。
豊富な水分と糖分は実に憎らしいほどに
体中に染み渡っていく。
なんか、もう、泣きそうなくらい美味い。
気付いたら無心でかぶりついていた。

ここまで苦労して登ってきたからこそ味わえるこの幸せ。
800円では安いくらいだ。
なんて、お金に換算できる単位ではないが・・・。

ここまで奇跡的に夕立にあわずに来れている。
雷が遠くごろごろ言う音は聞こえるが、
まだ降りそうな気配はない。
この調子でせめて燕山荘まで持って欲しい。

ここから先は、さらに100mほど登らなくてはいけないが、
そこまで登ると、やっと稜線上に出て、ある程度道も楽になる。
風も通るようになり、歩くのも心地よい。

しばらく歩き、最後のピークを上りきると、
200m先にやっとテント場と山小屋が見えた。
目指す燕山荘だ。
あのどこかにS先生がいるはず。

道も楽になり、少しずつ体力も回復してきた僕は、
ためしに先生の名を呼んでみることに。
『Sせんせ〜っ!!』
当然聞こえないだろうと思ったが、
遠くでこっちに向かって手を振る人が見える。
良くは見えないが、S先生のようだ。
何となく安心。
元気が出てくる。

近いようで、そこから10分は歩かなくてはならなかったが、
何とか4時半頃燕山荘のテン場に到着。

少し休んだ後、急いで食事の用意をする。
今日の夕食はレトルトのカレーだ。
ちゃんと野菜を持っていくいつもの山行と違い、
今回はレトルトをあたためるだけなのであっという間にできる。

食事の準備をしている時、雷がなった。
山の雷は怖い。
すぐ近くで落ちているような大きな音がするからだ。
今回も光った直後にものすごい大音量の雷がなり、
テント場にいた人皆が一瞬身構えていた。
それにしても、ここにつくまで雨にあわなかったのは、
実に運が良かった。
今後にむけて幸先の良いスタートを切ることができた。

S先生曰く、ここからのながめはすごい、とのこと。
今は曇っていて見通しがきかないが、
明日の朝見える景色が楽しみだ。

先生たちは二人して、燕山荘で
1000円の大ジョッキの生ビールを買って嬉しそうに飲んでいる。
この山行は一応部活動。
つまり先生たちはお仕事中なんですけど…。

7時ごろ、先生と生徒で二つのテントに分かれて、就寝。

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