2日目
2001年7月16日(字数制限のため、今日はやっと15日)
2日目。
3時半起床。
まだ外は真っ暗。
星がきれいだ。
三日月が出ている分空が明るくなっているのが、ちょっと残念。
昨夜は暑さもあってか、何度か起きてしまい、
少々浅い眠りになってしまった。
まぁ、でも、山の、しかも宿泊1日目の夜なんて、こんなものだ。
幸い、疲れはかなり取れている。
昨日の気持ち悪さも回復しており、
今日はベストの体調で登れそうだ。
慌ただしく朝食を取り、おにぎりを作って、
5時半頃出発。
本当は5時出発の予定だったのだが、またのんびりしてしまったようだ。
…。
最初、道はひたすら上っていく。
様子は昨日とはまた違って、少しうっそうとした感じの森だ。
斜面の角度としてはかなり急なのだが、
道はうまい具合にジグザグを切ってくれているので、
適度な角度の道になっている。
これぐらいなら、歩いていてもほとんど疲れず、
快調に歩を進められる。
朝早いので、空気も涼しい。
天気は快晴。
昨日と違って雲ひとつない。
実に気持ちがいい。
北東に向かって登っていくので、太陽は山に隠れて見えないが、
場所によっては木々の間から差し込む太陽の光がかすかに見える。
木が金色に輝いているようできれいだ。
さわやかな気分になる。
双児山というピークにつく。
あまり沢山歩いたと言う意識はないが、
気付いたら、かなりの高さまで登ってきている。
実に良く晴れているので、周り中が遠くまで見渡せる。
昨日登った仙丈、北岳、駒津峰の向こうにのぞく甲斐駒の山頂…。
快晴の日に、高いところから見る山々は、メチャクチャかっこいい。
山の大きさを改めて実感する。
特にこの辺で一番大きな北岳が見事だ。
V字に刻まれたたくさんの尾根が上に向かって這い上る。
朝の光を受けて、山側は緑に輝き、谷側は影で黒く染まる。
それらを見下ろしているようにそびえる山頂。
尊大だけど、まわりを圧する風格がある。
違う方向には雲海が広がっている。
果てしないほど遠くまで雲が平らに続いている。
『かっこいい!!』その言葉だけが何度も口をついて出た。
この感動を即座に言葉に表せない、語彙の乏しい自分が悲しい。
でも、大自然に圧倒されるとき、人間なんてそんなものだ。
そう思った。
しばらくは北岳から目が離せなかった。
双児山からは少し下り、また、駒津峰へとだらだらとした上りが続く。
ここの上りは足元が土ではなく、
ソフトボール大くらいの石がごろごろしている。
こういう道は重心が定まらず、非常に歩きにくい。
イライラが募る。
長いのぼりに汗が噴き出し、体が熱くほてってきた頃、
やっと、駒津峰に着く。
ピークについた途端、強い風が全身に当たる。
涼しい。
こういう時、言葉には言い表せないほどの、最高の幸せを感じる。
適度に疲れた体が、急速に癒されていく。
心地よい疲労感が全身を駆け巡る。
手足を伸ばして喜びを表現したいような、そんな気分になる。
この瞬間が山登りの醍醐味だと、僕は思う。
ここではちょっと長めに休憩をとり、
いよいよ、甲斐駒山頂に向かって歩き始める。
始めはやはりちょっと下るが、
そのあとは徐々に急な上り坂になってくる。
植物の数はどんどん少なくなり、岩場の道になる。
大きな岩が次々に目の前に立ちはだかる。
実は僕とTはこのような道が大好きだ。
体中、特に腕の筋肉を使って体を持ち上げる。
登り方は『よじ登る』という感覚に近い。
そんな道は登っていてワクワクしてくる。
僕たちは次第に冷静さを失い、テンションがあがる。
体はどんどん先に行きたがり、無駄に体を動かすようになる。
気付いたら、Yさんの息がかなり上がっている。
そういえば、Yさんはこのような岩場の経験はほとんどないはずだし、
第一、女の子だ。
きついに違いない。
そんなことにも気付かずに、どんどん行きたがってしまった僕とT。
これまで平気な顔でついてきたのは、それだけで驚くべきことなのに、
『Yさんも登れるのが当然』、
そんな意識が僕たちのどこかにあったのだろう。
これで上級生なんだから、どうしようもない。
反省…。
Yさんの回復を待つために、休みながら登っていくことにする。
登るにつれて、道は岩石が風化して細かくなった砂の道になる。
足元がさらさらして、登りにくい。
巨大な岩が回りにあるが、先ほどよりは数が減り、
それらを乗り越えるという感じではなくなる。
道は岩の間を進んで行くのだ。
山頂付近になればなるほど、角度も相当急になっている。
道ははっきりしなくなっているので、見失いやすい。
この最後の登りはさすがに、かなりきつかった。
(つづく)
2日目。
3時半起床。
まだ外は真っ暗。
星がきれいだ。
三日月が出ている分空が明るくなっているのが、ちょっと残念。
昨夜は暑さもあってか、何度か起きてしまい、
少々浅い眠りになってしまった。
まぁ、でも、山の、しかも宿泊1日目の夜なんて、こんなものだ。
幸い、疲れはかなり取れている。
昨日の気持ち悪さも回復しており、
今日はベストの体調で登れそうだ。
慌ただしく朝食を取り、おにぎりを作って、
5時半頃出発。
本当は5時出発の予定だったのだが、またのんびりしてしまったようだ。
…。
最初、道はひたすら上っていく。
様子は昨日とはまた違って、少しうっそうとした感じの森だ。
斜面の角度としてはかなり急なのだが、
道はうまい具合にジグザグを切ってくれているので、
適度な角度の道になっている。
これぐらいなら、歩いていてもほとんど疲れず、
快調に歩を進められる。
朝早いので、空気も涼しい。
天気は快晴。
昨日と違って雲ひとつない。
実に気持ちがいい。
北東に向かって登っていくので、太陽は山に隠れて見えないが、
場所によっては木々の間から差し込む太陽の光がかすかに見える。
木が金色に輝いているようできれいだ。
さわやかな気分になる。
双児山というピークにつく。
あまり沢山歩いたと言う意識はないが、
気付いたら、かなりの高さまで登ってきている。
実に良く晴れているので、周り中が遠くまで見渡せる。
昨日登った仙丈、北岳、駒津峰の向こうにのぞく甲斐駒の山頂…。
快晴の日に、高いところから見る山々は、メチャクチャかっこいい。
山の大きさを改めて実感する。
特にこの辺で一番大きな北岳が見事だ。
V字に刻まれたたくさんの尾根が上に向かって這い上る。
朝の光を受けて、山側は緑に輝き、谷側は影で黒く染まる。
それらを見下ろしているようにそびえる山頂。
尊大だけど、まわりを圧する風格がある。
違う方向には雲海が広がっている。
果てしないほど遠くまで雲が平らに続いている。
『かっこいい!!』その言葉だけが何度も口をついて出た。
この感動を即座に言葉に表せない、語彙の乏しい自分が悲しい。
でも、大自然に圧倒されるとき、人間なんてそんなものだ。
そう思った。
しばらくは北岳から目が離せなかった。
双児山からは少し下り、また、駒津峰へとだらだらとした上りが続く。
ここの上りは足元が土ではなく、
ソフトボール大くらいの石がごろごろしている。
こういう道は重心が定まらず、非常に歩きにくい。
イライラが募る。
長いのぼりに汗が噴き出し、体が熱くほてってきた頃、
やっと、駒津峰に着く。
ピークについた途端、強い風が全身に当たる。
涼しい。
こういう時、言葉には言い表せないほどの、最高の幸せを感じる。
適度に疲れた体が、急速に癒されていく。
心地よい疲労感が全身を駆け巡る。
手足を伸ばして喜びを表現したいような、そんな気分になる。
この瞬間が山登りの醍醐味だと、僕は思う。
ここではちょっと長めに休憩をとり、
いよいよ、甲斐駒山頂に向かって歩き始める。
始めはやはりちょっと下るが、
そのあとは徐々に急な上り坂になってくる。
植物の数はどんどん少なくなり、岩場の道になる。
大きな岩が次々に目の前に立ちはだかる。
実は僕とTはこのような道が大好きだ。
体中、特に腕の筋肉を使って体を持ち上げる。
登り方は『よじ登る』という感覚に近い。
そんな道は登っていてワクワクしてくる。
僕たちは次第に冷静さを失い、テンションがあがる。
体はどんどん先に行きたがり、無駄に体を動かすようになる。
気付いたら、Yさんの息がかなり上がっている。
そういえば、Yさんはこのような岩場の経験はほとんどないはずだし、
第一、女の子だ。
きついに違いない。
そんなことにも気付かずに、どんどん行きたがってしまった僕とT。
これまで平気な顔でついてきたのは、それだけで驚くべきことなのに、
『Yさんも登れるのが当然』、
そんな意識が僕たちのどこかにあったのだろう。
これで上級生なんだから、どうしようもない。
反省…。
Yさんの回復を待つために、休みながら登っていくことにする。
登るにつれて、道は岩石が風化して細かくなった砂の道になる。
足元がさらさらして、登りにくい。
巨大な岩が回りにあるが、先ほどよりは数が減り、
それらを乗り越えるという感じではなくなる。
道は岩の間を進んで行くのだ。
山頂付近になればなるほど、角度も相当急になっている。
道ははっきりしなくなっているので、見失いやすい。
この最後の登りはさすがに、かなりきつかった。
(つづく)
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