消えていくもの

2001年7月11日
そういえば、
『コーヒー牛乳』という商品名が認められなくなるらしい。
よくかんがえてみると、それって、少し悲しい。

僕がまだ幼稚園児だった頃。
家の母は当時、よく分からないけど、
栄養がどうのとか、添加物とか、塩分、糖分とか、
食物の幼児に対する悪影響などについて、
やたら真剣に考えちゃってる人だった。
(おそらく、誰かにそういう話を聞かされて感化されたのだろうが)
まぁ、今もけっこうそうだけど。

子供の発育にとって良くないものは食べさせない。
おやつの種類、量などにも制限を加える。
共同購入などで、無農薬の野菜を購入する。
それくらいの気合の入れようだった。
それは、その辺のお店から買ってくるのと比べて、
はるかにめんどくさいわけで、
今から考えると、すごいエネルギーだ。
母ちゃんも若かったのだ。

だから、当然、ジュースのような糖分が大量に含まれている飲料は
めったに飲ませてもらえなかった。


コーヒー牛乳なんて、今思えば、やたら甘いだけの味しかしないけど、
単純な味覚しか持たない、幼稚園児にとって、
甘いというだけで、それはかなり魅惑の飲み物だった気がする。

僕の場合、めったに飲ませてもらえなかったから、なおさらだ。

たまに、病気になったときとか、誰かを待っているときにだけ、
飲むことを許してもらえる、コーヒー牛乳。
あの味わいが口の中に広がるのを感じるだけで、
幸せを覚えた。

だから、当時の僕にとって
『コーヒー牛乳』というフレーズ自体が
大きな意味を持つものだったのだ。

その言葉に触れるとき、
僕はつねに一種の憧れと期待を胸に抱く。

そんな言葉だった。

自分の中で、『コーヒー牛乳』は大きな位置をしめていた。


そんな、『コーヒー牛乳』という言葉が世の中から消える、という。
(まぁ、詳しい話は知らなくて、
もしかしたら、少しは残るものもあるのかもしれないけど。)

かつての憧れが消えてしまう。
そんな気分だ。

それって、よく考えると、ちょっと寂しい。
ふと、そう思った。

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