感想

2001年7月1日
池袋の芸術劇場へ劇を見に行きました。

「劇団うりんこ」という劇団の、『老人が来た』と言うやつ。

この劇団、児童演劇の中では割と力のあるところだとは思うんだけど、
何しろ児童演劇なので、
もうちょっと対象年齢の高い演劇が見たいなって言う気はしたけど、
まぁ、もろもろの事情により、チケットは手に入っていたので。

テスト3日前だというのに、こんな余裕を見せてる辺りが『ナイス!』って思った。


内容としては、ある中学校にボケた老人が入り込んでしまったことから起こる、
ちょっとしたハプニングを描いたものだ。
その老人、実はその中学校の元教師で、
ちょうどその日むしゃくしゃして教室のガラスを割っていた少年のことを、
茂田とかいう昔の教え子と勘違いしてしまう。
かつてその老人が教師だったとき、その茂田にきちんと向き合えなかった自分のことを、
ずっと悔いていたらしい。
で、ボケてるもんだから、今も自分はその子の担任なんだと思い込んだ老人が、
少年にいきなり『作文を書こう』と言い出す。
『わしは茂田が書き終えるまで、けして帰らんぞ。』とかって。

もちろん、その学校の本当の先生たちは大騒ぎして、
その老人の家族まで呼び出して、なんとか家に帰そうとする。
でも、その少年、本当は茂田じゃないのに、けっこう単純な奴で、
邪魔者扱いされる老人がかわいそうに思ったのか、
老人をかばいだす。
まぁ、そいつもガラス割ってたぐらいだから、
その『茂田』と精神状況的にはたいして変わりはないわけで、
次第にその老人が、自分(老人は『茂田』のつもり)に対して言う言葉の一つ一つが
胸を打ち出して…。

とまぁ、そんな話だ。

あらすじを読んだときは、けっこう『げっ』って思った。
…『金八』とか『中学生日記』とかその手の奴? 
とかって。

まぁ、見終えた感想としては、
微妙なラインで持ちこたえていたのじゃないかなと。
演技力はしっかりしていたし、
老人が少年に向けていう言葉が、ボケ老人なだけに、
いわゆる『熱血』ではなかったのが、
良かった気がする。

それは、老人自身からもある種の悲哀みたいなものが感じられるし、
言葉自体に一貫性があって、必死に少年に訴えようとする様子が、
そんなにウソっぽくなかったから、なんだと思う。

老人が茂田に向けて発する言葉、
17年前の茂田のおかれていた状況、
少年が現在おかれている状況、
少年の書く作文。
要するに茂田と少年が、脚本の中で上手い具合に、マッチして、っていうんでもないけど、
重なり合って、ただのボケ老人の行動が意味を持ち出していくのが、
上手くできていて、ちょっと良かった。

少年も、(良くあるドラマのように、)悪かった奴が急に態度を改めて、
『分かったよ先生。俺が悪かったよ(キラキラ)!!』とかって言い出し、
一瞬にしてさわやか少年に変貌するような、そんなんじゃなくて、
ちゃんと一応は説得力のある流れの中で、とりあえず、
老人のために作文を書いてやる。

作文を書いたから何だっていう気はするけど、
そこも、ストーリーの展開と演技力でなんとなく、
納得してしまった。

だから、まぁ、『感動した!!』とかっていうんでもないけど、
『いいかな…。』って。

そういう意味で、持ちこたえていたかな、と。
そんな劇です。

まぁ、楽しかったんだと思います。

とりあえず、劇を見てるのはけっこう好き。
また、夏休みに見にいこ…。


帰りに母ちゃんに、牛乳とパンをおごってもらった。

那須山麓牛乳(500cc)。
…割と許せる味だ。
安いし。
ファミマでしか買えないんだけど。

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